家族になった来栖くんと。
「うっ…、ぐすっ、ズズッ…」
俺そっちにいるから火事だけは勘弁して───と。
ついさっき、キッチンから離れたリビングに移動していった来栖くんは。
私から出された新たな音により、ガタッと音を放ってまでもキッチンに戻ってきた。
「え、なに、まって、白山さん?」
「ううぅ…っ、いたいよぉ…っ」
「痛い?切った?どこ、」
拭っても拭っても止まらないどころか、もっと流れてくる涙。
心なしか彼の声色がやさしくなったように感じた。
「ちょっと見せて。そんな泣く必要ないし、だから無理すんなって……いや、それか俺がさっき冷たいこと言ったから───」
「玉ねぎやだぁぁぁ…っ」
「…………」
「目、しみる…っ」
玉ねぎのみじん切り。
オムライスにする前のチキンライスを作るにあたって外せない工程だ。
うまくみじん切れているかも不安で、どうしよう涙で視界がまったく見えない…。