家族になった来栖くんと。
「……その顔、たぶん元カレに見せていい顔じゃないと思うけど」
“元カレ”と強調したのはたぶん、わざとだね。
私に無謀すぎる期待をさせないように。
高校生になった、来栖くんは。
やっぱりいじわるなままだった。
「じゃあ私……帰ります。味…、美味しくなかったらごめんね」
まだ夕飯には少しだけ早いから、完成したオムライスはラップをしてテーブルに置いた。
「…ほんと、変わってない」
「え…?」
「謝んなくていいとこで謝る癖」
そういうところが嫌いなんだよって、言われちゃったような気持ちだ。
お別れを告げたのは私だけれど、振ったのは来栖くん。
私は振られたの、間違いなく。
「なんで高校……北高にしたんだよ」
背中を向けて逃げてしまう寸前、責めるように届いてきた。
痛いところを突かれたようにズキンッと、心臓に刺さる。
「そこまで俺に合わせてたんなら、けっこー腹立つよ」
「…私に無理して合わせてたのは……来栖くんのほうじゃないの、かな」
「……へえ。それは心外」