家族になった来栖くんと。
「…いいって言ったのに」
「そっちに何かあったら怒られんのは俺なんだよ」
冬空の下、澄んだ空気を切るように歩く。
斜め後ろをついてくる元カレ。
ちょうど去年の今頃だ。
私が来栖くんにお別れを告げたのは。
その日も、このくらい暗くて寒かった。
「ちょ、あっぶな…」
「っ!!……ごめん、なさい」
電柱にぶつかりそうなギリギリ。
背後から引っ張られたことにより、タンコブは逃れた。
掴まれた手首。
私はすぐにぐいっと逃れるように、拒んでしまう。
「…そんなあからさまに嫌がんなくても」
「っ、そ、そうじゃない…」
「そーじゃん」
ちがうの、見られたくない。
傷だらけの指を。
来栖くんのために頑張ってるって知られたら、また私が憐れな思いをするだけでしょ…?