家族になった来栖くんと。




「来栖くんっ、これもかまくらなんだって…!」


「え、これ家だろ」


「住めそうだね!あの部分がリビングで、あそこがキッチンかな?」


「でも火つけたら溶けない?」


「あっ……」



すこし離れた知らない土地で、人目を気にせず手をつないで。

今まででいちばん欲しかったクリスマスプレゼントを貰えてしまったと、一生分の宝物にして。


私は彼がずっと欲しいと言っていたイヤホンをプレゼント。


そんな来栖くんといえば───、



「…ごめん。なにがいいか分かんなくて、俺のセンスで選ぼうかとも思ったんだけど聞いたほうが早いなとか思って…さ。だから……ごめん。持ってきてない」



と、焦るような初めての顔を見せてくれた。


正直これだけで良かった。

今日というクリスマスイブを一緒に過ごせたことがもう、プレゼントだよ。


そう言った私に、来栖くんは納得できないような困った顔をしてから。



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