家族になった来栖くんと。




「…わかった。じゃあ、約束あげる」


「やくそく……?」


「…うん。ずっと一緒にいるっていう……約束」



信じるとか、信じないとか。
叶うとか、叶わないとか。

正直そんなのはどうだっていいの。


こんなにも素敵な言葉が来栖 桃弥くんから、初恋の男の子から貰えたことがもう。



「あ、泣いた」


「へへ。…大好きだなあって」



大好き。
いつも私ばかりが伝えていたね。

そういえばって、あれもこれも、そうだった。


来栖くんとの思い出は思い返すと幸せ以上に、苦しくなる。



「────あ。数学の教科書……」



雨がポツポツと降っていたから、折り畳み傘を出そうとスクールバッグを漁ると。

宿題で使う数学の教科書が入っていないことに気づいた、それは1月中旬の放課後。



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