家族になった来栖くんと。




べつに付き合ってない。
そもそもタイプじゃない。

知らないところで噂されるのは迷惑。


脳内を何度も何度も大好きな声が、私に現実を突きつけるように繰り返してくる。



「……ついてこないで…ください」



それから連絡も、メッセージも、返すことはしなくなった。


学校では目すら合わないように常に下を向く日々。

昇降口で待っている姿があっても見ないふり。


とうとう私の背後をついてきた来栖くんは、一体どういうつもりなんだろう。



「俺、なにかした?わかんないんだよ…言ってくれないと」


「…ついてこないで」


「理由を話してくれんならね」



どんなに寄り道をして時間をつぶしても、それでも着いてくる。

本屋さんに寄って、目的もないのにショッピングモールに入って。


今日は映画を観て帰るから少しだけ遅くなるよ───お母さんには、こんな嘘ひとつ。



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