家族になった来栖くんと。
「…………ぎゃーーーッッ!!!」
抱きついていた先はクッションなんかじゃなく。
これまた鬱陶しそうにしている───元カレさんなわけで。
今日も私の朝、始まる。
「まったく騒がしいやつだな。家が揺れたぞ、つぐ」
「ごめんなさい…」
「ふふ。逆に目が覚めたんだし、よかったじゃない?」
お父さんとお母さんはとっくに出勤したらしく、エプロン姿の義姉が慣れた手つきでテーブルにコップを置いた。
コーヒーと紅茶。
スーツ姿のお兄ちゃんがコーヒーを受け取って、ズズズと啜る。
どうにもなかなか起きてこない私を来栖くんが起こしに来てくれたようなんだけれど…。
「つぐはそろそろ自分で起きれるようなれ。桃弥くん、鼓膜は大丈夫か?」
「……ギリです」
「ギリか。謝っとけよー、つぐ」
「…はい」
心苦しさを感じながらチラリと見つめると、ふいっと逸らされる。
まだまだ慣れない朝だった。