家族になった来栖くんと。




「じゃ、行ってきます」


「桃弥、もういいの?」


「今日ちょっと先輩と約束あって」


「そう。気をつけてね」



朝は主食を食べないらしい、来栖くん。

パンもご飯も口にはせず、ベーコンやサラダだけをパパッと食べていつも家を出ていく。


西高の制服姿の来栖くんと、北高の制服を着た私。


たったそれだけが私たちの戻れない時間を表していた。



「んじゃあ俺も行ってくる」


「行ってらっしゃい。今日も残業になりそう?」


「いや、今日は定時で帰るつもり。いつもありがとうな涼。また帰ったらリフォームのこと話そう」


「ええ」



リビングにはパンフレットがたくさん置いてある。

お父さんとお母さん、お兄ちゃん夫婦で家族会議する頻度が最近になって増えていた。



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