家族になった来栖くんと。




「…来栖くん…は、」


「……ひみつ」


「ええっ、私はちゃんと言ったのに…!」


「勝手に言ってきただけじゃん」



ほら、いじわる。

どうせ例の派手めな先輩さんと会うんだろうな…今日も。


納得できない。

私のほうが誕生日が早いのに、どうして妹だと思われなくちゃいけないの。


せめて来栖くんが弟だ。



「言っとくけど、前に駅にいた先輩じゃないから」


「えっ、そうなの…?」



すぐに反応してしまった私がどんな顔をしていたか。

それは複雑そうに目を逸らした来栖くんが物語っていた。



「あっ、ご、ごめ……いや…、そう、なんだね…」



謝ると、怒られる。
私のそういうところが嫌いな来栖くんに。

もっと重くなってしまった空気。


でも、あの人じゃないんだ……。


心がホッとしたことだけは来栖くんにバレないように、なんとかいつもの私に戻した。



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