家族になった来栖くんと。




「とりあえずテキトーに楽しめばいいよ!連絡先交換するもしないもつぐみの自由だから!」


「…うん」



たぶん私はしないだろうな…と思いながら女子トイレを出る。


あたまが真っ白になった。

ちょうど出て左奥の2人席、向かい合う男女を視界に入れた瞬間。


どうして────……?


そこには今では見慣れた男の子と、すこし懐かしい女の子がいた。



「ごめんね、急に呼び出しちゃって。…来栖くん」


「…べつに平気」


「クラス…離れちゃったもんね」



位置的に彼のほうは、私のことは見えていない。

彼女のほうはチラリと私に移して、何事もなかったかのように戻したこと。


どちらも私の中学の同級生だ。



「…なぎ、さ…ちゃん」


「つぐみ?知り合いでもいたの?」


「あっ…、ううん…」


「ほら行くよー」



いま、来栖くんと向き合っている彼女は。

中学時代、私が唯一仲良くしていた女の子。



< 88 / 337 >

この作品をシェア

pagetop