家族になった来栖くんと。




おなじように目立たないタイプで控えめで、心地はよかったの。

あまり恋愛話もしたことはなかったけれど、それでも不思議だったのは。


私が来栖くんにお別れを言った直後、どういうわけかクラス中に彼らが付き合っているというウワサが立ったのだ。


どうして来栖くんと渚(なぎさ)ちゃんが……?

当時の私もワケがわからなくて、今日のようにそれ以上踏み込むことはできないまま卒業を迎えた。



「なんか白山さん…具会でも悪い?」


「………」


「つぐみー?」


「えっ、あっ、このピザおいしいね…!」



あのウワサが真実だったとすれば、それこそ私は来栖くんに弄ばれていたことになる。

そして唯一、私たちの関係を知っていた友達が渚ちゃんでもあったのだ。


あんなにも応援してくれていた彼女が、来栖くんと本当に付き合っていたならば。


私は両方に嘘をつかれていたことになるね。



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