家族になった来栖くんと。




「今日はありがと!また機会があったら遊ぼ!」


「おー。機会があったらなー」



結局、盛り上がっていたのは寧々ちゃんとタイチくんだけ。

私といえばふたりの中学時代の話を聞いては上の空に笑っているだけだった。


案の定もうひとりのユウタくんとも連絡先を交換することもないまま。


すこし前にファミレスを出ていった過去の同級生たちは、今どこに行っているのか見当もつかない。



「ごめん、つぐみ。ぜんぜん楽しそうじゃなかったよね…」



男の子たちと分かれてから、寧々ちゃんの言葉にハッとする。



「そ、そんなことないよ…!」


「いやいや。無理やり連れてきたの私だし、本当にごめん」


「…じつはね、いたんだ」



寧々ちゃんに嘘はつきたくない。

この子は今まで出会った誰よりも綺麗な心を持っている女の子。


ほんのちょっとだけ強引なところは確かにあるけれど、私は寧々ちゃんのそんな部分に助けられてきた人間でもあった。



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