氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
小さな口の中に黄色い菓子が収まっていく様子をじっと見つめる。いつ見ても見飽きない光景だ。しかしジークヴァルトは周りの異形の者たちを騒がせないように、細心の注意を払っていた。
もごもご口を動かしていたリーゼロッテの顔がへにゃりとほころぶ。これもいつまでも見ていたい顔だ。
一瞬、異形がざわめいて、ジークヴァルトは慌てて腹に力を入れた。すぐさま異形たちは沈静化し、執務室は何事もなかったかのように静まり返る。
マテアスを伺うが、ほんの一瞬のことで異形がざわついたことには気づいていないようだった。
再びリーゼロッテに視線を戻すと、彼女はまた菓子をじっと見つめている。今度はオレンジ色の菓子が気になる様子だ。
ジークヴァルトは無言でオレンジ色の小さな菓子をつまみ上げると、リーゼロッテの口の中にそれを押し込んだ。
不意をつかれたのかリーゼロッテは驚いたように目を見開いた後、不満げな顔でジークヴァルトを見上げてくる。そして、口の中の菓子を飲み込むと「あーんは一日一回までですわ」と唇を尖らせた。
「あーんとは言ってない」
その可愛らしい唇を指でつまんでみたいなどと不埒なことを考えながら、ジークヴァルトはふいと顔をそらした。異形の者は騒いでいない。いい感じで感情をコントロールできているようだ。
「ヴァルト様、そういうのを屁理屈というのですわ」
リーゼロッテはそう言いながら、自らの手で桃色の菓子を一つ取り、何かを思いついたようにふふっと笑った。
「はい、ヴァルト様、あーんですわ」
満面の笑みでジークヴァルトの口元に菓子を差し出してくる。身を引きそうになったジークヴァルトの頬にその小さな手のひらを添えて、自らの方に向けさせる。
「恥ずかしくっても駄目ですわ」
小さな指でつまみあげた菓子を唇に押し付けるようにしてくるリーゼロッテを前に、ジークヴァルトは眉間にしわを寄せた。頑なに口を開かないでいると、リーゼロッテは腰を浮かしてぐいぐいと迫ってくる。
もごもご口を動かしていたリーゼロッテの顔がへにゃりとほころぶ。これもいつまでも見ていたい顔だ。
一瞬、異形がざわめいて、ジークヴァルトは慌てて腹に力を入れた。すぐさま異形たちは沈静化し、執務室は何事もなかったかのように静まり返る。
マテアスを伺うが、ほんの一瞬のことで異形がざわついたことには気づいていないようだった。
再びリーゼロッテに視線を戻すと、彼女はまた菓子をじっと見つめている。今度はオレンジ色の菓子が気になる様子だ。
ジークヴァルトは無言でオレンジ色の小さな菓子をつまみ上げると、リーゼロッテの口の中にそれを押し込んだ。
不意をつかれたのかリーゼロッテは驚いたように目を見開いた後、不満げな顔でジークヴァルトを見上げてくる。そして、口の中の菓子を飲み込むと「あーんは一日一回までですわ」と唇を尖らせた。
「あーんとは言ってない」
その可愛らしい唇を指でつまんでみたいなどと不埒なことを考えながら、ジークヴァルトはふいと顔をそらした。異形の者は騒いでいない。いい感じで感情をコントロールできているようだ。
「ヴァルト様、そういうのを屁理屈というのですわ」
リーゼロッテはそう言いながら、自らの手で桃色の菓子を一つ取り、何かを思いついたようにふふっと笑った。
「はい、ヴァルト様、あーんですわ」
満面の笑みでジークヴァルトの口元に菓子を差し出してくる。身を引きそうになったジークヴァルトの頬にその小さな手のひらを添えて、自らの方に向けさせる。
「恥ずかしくっても駄目ですわ」
小さな指でつまみあげた菓子を唇に押し付けるようにしてくるリーゼロッテを前に、ジークヴァルトは眉間にしわを寄せた。頑なに口を開かないでいると、リーゼロッテは腰を浮かしてぐいぐいと迫ってくる。