氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
(周りにはそう見えるのなら、マテアスたちの作戦はある意味成功してるってことね)
マテアスやエッカルトは、ジークヴァルトが自分を子供としてしか見ていないことを懸念して、いろいろと画策しているのだろう。
近い将来、誓いを立てるふたりの最重要任務は、後継ぎを作ることだ。その任務を円滑に遂行するためにも、今のうちに少しでもジークヴァルトとリーゼロッテの距離を縮めておきたいのだろう。
石でも踏んだのか不意に馬車が不規則に揺れる。それと同時にリーゼロッテの胸元の守り石が小さく跳ねた。ペンダントの石をそっと手に取り、揺らめく青をじっと見つめる。
レースのカーテンがひかれた馬車の窓から陽が差し込んで、流れていく光が時折守り石に反射した。
(子供の頃、よくこうして石を光にかざしていたっけ……)
青い守り石が光を返す様はとても綺麗で、ずっと見ていても見飽きない。ジークヴァルトの瞳と同じ色をした石の揺らめきを、リーゼロッテはじっとみつめた。
昔ジークフリートからもらったペンダントは、実のところジークヴァルトが力を込めた守り石だった。
初めて会った日、ジークヴァルトは禍々しい黒いモヤに覆われていて、それはそれは恐ろしく見えた。もしもあの日に、ジークヴァルトの顔をきちんと見ることができて、ジークヴァルトから直接ペンダントを手渡されていたのなら。
(わたしの初恋の人はジークフリート様ではなく、ヴァルト様になっていたのかしら……?)
たらればの話をしても意味はないとはわかっているが、ついそんなことを思ってしまう。黒いモヤさえ見えなければ、あれほどジークヴァルトを毛嫌いすることもなかっただろう。
マテアスやエッカルトは、ジークヴァルトが自分を子供としてしか見ていないことを懸念して、いろいろと画策しているのだろう。
近い将来、誓いを立てるふたりの最重要任務は、後継ぎを作ることだ。その任務を円滑に遂行するためにも、今のうちに少しでもジークヴァルトとリーゼロッテの距離を縮めておきたいのだろう。
石でも踏んだのか不意に馬車が不規則に揺れる。それと同時にリーゼロッテの胸元の守り石が小さく跳ねた。ペンダントの石をそっと手に取り、揺らめく青をじっと見つめる。
レースのカーテンがひかれた馬車の窓から陽が差し込んで、流れていく光が時折守り石に反射した。
(子供の頃、よくこうして石を光にかざしていたっけ……)
青い守り石が光を返す様はとても綺麗で、ずっと見ていても見飽きない。ジークヴァルトの瞳と同じ色をした石の揺らめきを、リーゼロッテはじっとみつめた。
昔ジークフリートからもらったペンダントは、実のところジークヴァルトが力を込めた守り石だった。
初めて会った日、ジークヴァルトは禍々しい黒いモヤに覆われていて、それはそれは恐ろしく見えた。もしもあの日に、ジークヴァルトの顔をきちんと見ることができて、ジークヴァルトから直接ペンダントを手渡されていたのなら。
(わたしの初恋の人はジークフリート様ではなく、ヴァルト様になっていたのかしら……?)
たらればの話をしても意味はないとはわかっているが、ついそんなことを思ってしまう。黒いモヤさえ見えなければ、あれほどジークヴァルトを毛嫌いすることもなかっただろう。