氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
タウンハウスとは、貴族が王城の夜会などに参加するときに利用する別宅のようなものだ。領地が王都から離れている貴族のほとんどは、このタウンハウスを王都に所有している。
リーゼロッテはダーミッシュ家のタウンハウスには初めて行くので、密かにちょっと楽しみにしていた。しかし舞踏会など初めての経験だ。庶民の記憶を持つ身としては、気後れして不安ばかりが募っていく。
「どうしましょう……今から緊張してきましたわ……」
不安げに見上げるリーゼロッテを、クリスタはやさしげにみつめた。
「ふふ、エスコートはお父様がしてくださるし、ジークヴァルト様もいらっしゃるから何も心配はいらないわ。それに、ね……」
クリスタが目くばせをすると、マダムは頷いて後ろで控えていたお針子に別のドレスを持ってこさせた。
「これはリーゼロッテからエラへのプレゼントよ」
「え? わたしにですか!?」
急に水を向けられたエラが、戸惑ったような声を上げる。
「ええ、このドレスを着てエラにも白の夜会に参加してほしいの。あなたがいればリーゼロッテも心強いから」
「ですが奥様、わたしは……」
エラはずっと悩んでいた。男爵令嬢として夜会に参加すれば、リーゼロッテの晴れ舞台に立ち会うことができる。だがそれをするには、実家で準備をして夜会に参加しなければならない。そうすると、リーゼロッテのデビューの支度を自分が手伝うことは叶わなくなる。
リーゼロッテはダーミッシュ家のタウンハウスには初めて行くので、密かにちょっと楽しみにしていた。しかし舞踏会など初めての経験だ。庶民の記憶を持つ身としては、気後れして不安ばかりが募っていく。
「どうしましょう……今から緊張してきましたわ……」
不安げに見上げるリーゼロッテを、クリスタはやさしげにみつめた。
「ふふ、エスコートはお父様がしてくださるし、ジークヴァルト様もいらっしゃるから何も心配はいらないわ。それに、ね……」
クリスタが目くばせをすると、マダムは頷いて後ろで控えていたお針子に別のドレスを持ってこさせた。
「これはリーゼロッテからエラへのプレゼントよ」
「え? わたしにですか!?」
急に水を向けられたエラが、戸惑ったような声を上げる。
「ええ、このドレスを着てエラにも白の夜会に参加してほしいの。あなたがいればリーゼロッテも心強いから」
「ですが奥様、わたしは……」
エラはずっと悩んでいた。男爵令嬢として夜会に参加すれば、リーゼロッテの晴れ舞台に立ち会うことができる。だがそれをするには、実家で準備をして夜会に参加しなければならない。そうすると、リーゼロッテのデビューの支度を自分が手伝うことは叶わなくなる。