氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
◇
ジークヴァルトに連れられるまま店の中を進むと、無駄に大きなエントランスの先に幅広の階段が見えた。数段昇ると踊り場があり、そこを折り返した階段の先の二階に店舗が広がっていた。
「まあ……!」
ドレスやアクセサリー、靴、バッグなどが目に入る。それだけではなく、ぬいぐるみやインテリア系の小物、ステーショナリーグッズなど、左右の棚といくつかの島になった陳列台に、ぱっと見た感じだけでも女子の心をくすぐる品々が、上品にディスプレイされている。
(雑貨屋っていうより、高級なセレクトショップみたい……!)
日本での記憶がよみがえる。予算はないが見るだけなら無料だ。ウィンドウショッピングが好きで、何時間でもショッピングモール巡りをしていたことをリーゼロッテは思い出した。
店内に熱い視線を巡らせていると、ジークヴァルトがそっと背中に手を添えてくる。
「気に入ったものを好きなだけ選ぶといい」
「え……?」
ジークヴァルトを見上げて、もう一度店の中に視線を戻した。広い店内を見渡しても、自分たち以外に客の影はない。
(もしかして、店を貸し切ったのかしら……)
他の店の人の入りを見ると、一日店を閉めるだけでも損失は少なくないだろうことが伺える。しかし、少し離れた位置で店主のおじさんはニコニコと笑顔で立っている。これは店を貸切るにあたって、相当な額が支払われているに違いない。
「……ジークヴァルト様、もしかしてわたくしのために、この店を貸し切りにしてくださったのですか?」
「ああ」
(やっぱり! わたしのためだけに店を一軒貸し切るなんて……!)
庶民魂が荒ぶって、申し訳ない気持ちがこみあげてくる。しかし、ふとアデライーデの顔が脳裏をよぎり、リーゼロッテはギリギリのところで踏みとどまった。
(そうよ! ジークヴァルト様に恥をかかせてはいけないわ!)
ジークヴァルトに連れられるまま店の中を進むと、無駄に大きなエントランスの先に幅広の階段が見えた。数段昇ると踊り場があり、そこを折り返した階段の先の二階に店舗が広がっていた。
「まあ……!」
ドレスやアクセサリー、靴、バッグなどが目に入る。それだけではなく、ぬいぐるみやインテリア系の小物、ステーショナリーグッズなど、左右の棚といくつかの島になった陳列台に、ぱっと見た感じだけでも女子の心をくすぐる品々が、上品にディスプレイされている。
(雑貨屋っていうより、高級なセレクトショップみたい……!)
日本での記憶がよみがえる。予算はないが見るだけなら無料だ。ウィンドウショッピングが好きで、何時間でもショッピングモール巡りをしていたことをリーゼロッテは思い出した。
店内に熱い視線を巡らせていると、ジークヴァルトがそっと背中に手を添えてくる。
「気に入ったものを好きなだけ選ぶといい」
「え……?」
ジークヴァルトを見上げて、もう一度店の中に視線を戻した。広い店内を見渡しても、自分たち以外に客の影はない。
(もしかして、店を貸し切ったのかしら……)
他の店の人の入りを見ると、一日店を閉めるだけでも損失は少なくないだろうことが伺える。しかし、少し離れた位置で店主のおじさんはニコニコと笑顔で立っている。これは店を貸切るにあたって、相当な額が支払われているに違いない。
「……ジークヴァルト様、もしかしてわたくしのために、この店を貸し切りにしてくださったのですか?」
「ああ」
(やっぱり! わたしのためだけに店を一軒貸し切るなんて……!)
庶民魂が荒ぶって、申し訳ない気持ちがこみあげてくる。しかし、ふとアデライーデの顔が脳裏をよぎり、リーゼロッテはギリギリのところで踏みとどまった。
(そうよ! ジークヴァルト様に恥をかかせてはいけないわ!)