氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
明らかに食いつきが違うリーゼロッテの様子をジークヴァルトが見逃すはずはない。
「ダーミッシュ嬢も占いを受けたいのか?」
「はい……一度でよいので本格的な占いを受けてみたいと、以前から思っておりました」
夢見るように語るリーゼロッテはどこか遠くに想いを馳せている様子に見えた。何しろ日本で生きていた頃から思っていたことだ。
「そうか」と言ってジークヴァルトがエーミールに視線を向ける。その視線を受けて、エーミールは神妙な顔つきで口を開いた。
「貴族街の東の外れにある店です。特に怪しい感じは受けませんでした」
付き人もフードで顔を隠していたが、あれは演出の類なのだろう。貴族街に店を構えているくらいなのだから、身元はしっかりしているはずだ。エーミールはそう結論づけてジークヴァルトに思ったままを報告した。
その言葉にもう一度「そうか」と言うと、ジークヴァルトはおもむろに立ち上がった。そのままリーゼロッテの手を取って軽く引く。強引ではないが拒否できる感じでもなく、リーゼロッテは気づくとソファから立ち上がらせられていた。
「ジークヴァルト様……?」
エスコートされるまま歩き出す。
「え? ジークヴァルト様??」
ケーキはまだ一口も食べていない上に、温かな紅茶も半分以上残っている。さすが高級カフェと言える上質な香りの物だ。こういったものは雰囲気込みで美味しいのだ。そう思って後ろを振り返りつつも、有無を言わさず部屋の出口へと向かわせられる。その後を当然とばかりにエラとエーミールがついて来ていた。
「またのお越しをお待ちしております」
カフェの店員もまた、平然と一行の後ろ姿を見送るのだった。
「ダーミッシュ嬢も占いを受けたいのか?」
「はい……一度でよいので本格的な占いを受けてみたいと、以前から思っておりました」
夢見るように語るリーゼロッテはどこか遠くに想いを馳せている様子に見えた。何しろ日本で生きていた頃から思っていたことだ。
「そうか」と言ってジークヴァルトがエーミールに視線を向ける。その視線を受けて、エーミールは神妙な顔つきで口を開いた。
「貴族街の東の外れにある店です。特に怪しい感じは受けませんでした」
付き人もフードで顔を隠していたが、あれは演出の類なのだろう。貴族街に店を構えているくらいなのだから、身元はしっかりしているはずだ。エーミールはそう結論づけてジークヴァルトに思ったままを報告した。
その言葉にもう一度「そうか」と言うと、ジークヴァルトはおもむろに立ち上がった。そのままリーゼロッテの手を取って軽く引く。強引ではないが拒否できる感じでもなく、リーゼロッテは気づくとソファから立ち上がらせられていた。
「ジークヴァルト様……?」
エスコートされるまま歩き出す。
「え? ジークヴァルト様??」
ケーキはまだ一口も食べていない上に、温かな紅茶も半分以上残っている。さすが高級カフェと言える上質な香りの物だ。こういったものは雰囲気込みで美味しいのだ。そう思って後ろを振り返りつつも、有無を言わさず部屋の出口へと向かわせられる。その後を当然とばかりにエラとエーミールがついて来ていた。
「またのお越しをお待ちしております」
カフェの店員もまた、平然と一行の後ろ姿を見送るのだった。