氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
「おっと、怖い怖い。やっぱりお前、ジークフリートの息子だな」
悪びれた様子もなく言うユリウスに、リーゼロッテは不思議そうな顔を向けた。
「昔、ディートリンデを口説こうとしたら、ジークフリートの奴、本気で切りかかってきたんだよ。まったく、龍付きには手を出すもんじゃないな。危うく殺されるところだったんだぜ」
やれやれといったふうのユリウスに、後ろにいたエーミールが「叔父上」とあきれたようにため息をついた。
「と、いうわけで、エデラー嬢、今度オレと食事にでも行かないか?」
「えっ!?」
後ろで静かに控えていたエラの手を取り、ユリウスは同じように指先に口づけようとした。突然のことにエラは固まって動けないでいる。
「ユリウス様、おやめください! エラ様は伯爵家からお預かりしている大切な客人ですよ!」
「そうです、叔父上! エラはリーゼロッテ様の大事な侍女です! 変な気は起こさないでいただきたい!」
マテアスとエーミールが、エラとの間に同時に入り込む。ユリウスは女性を見れば見境なく口説く癖がある。これはもう病気だと、周囲の者はあきらめの境地だ。
「なんだ、お前ら。めずらしく仲がいいじゃないか」
おかしそうに言うユリウスに、マテアスとエーミールは一瞬だけ顔を見合わせた後、気まずげに距離を開けた。その後ろでエラが、困ったような顔をしている。
「レルナー様。エーミール様がおっしゃるように、わたしはリーゼロッテお嬢様の侍女でございます。どうかレルナー様もそのようにお扱いください」
「エデラー嬢はガードが堅いな。まあ、気が向いたら言ってくれ。オレはいつでも待ってるぜ」
その言葉にマテアスとエーミールが鋭い視線を向ける。
「おっと、こっちも怖い怖い」
そう言いながらユリウスは、ジークヴァルトの腕からリーゼロッテをひょいと奪った。
「グレーデンの女帝の機嫌を損ねるわけにはいかんだろう? 男らしくあきらめろ」
悪びれた様子もなく言うユリウスに、リーゼロッテは不思議そうな顔を向けた。
「昔、ディートリンデを口説こうとしたら、ジークフリートの奴、本気で切りかかってきたんだよ。まったく、龍付きには手を出すもんじゃないな。危うく殺されるところだったんだぜ」
やれやれといったふうのユリウスに、後ろにいたエーミールが「叔父上」とあきれたようにため息をついた。
「と、いうわけで、エデラー嬢、今度オレと食事にでも行かないか?」
「えっ!?」
後ろで静かに控えていたエラの手を取り、ユリウスは同じように指先に口づけようとした。突然のことにエラは固まって動けないでいる。
「ユリウス様、おやめください! エラ様は伯爵家からお預かりしている大切な客人ですよ!」
「そうです、叔父上! エラはリーゼロッテ様の大事な侍女です! 変な気は起こさないでいただきたい!」
マテアスとエーミールが、エラとの間に同時に入り込む。ユリウスは女性を見れば見境なく口説く癖がある。これはもう病気だと、周囲の者はあきらめの境地だ。
「なんだ、お前ら。めずらしく仲がいいじゃないか」
おかしそうに言うユリウスに、マテアスとエーミールは一瞬だけ顔を見合わせた後、気まずげに距離を開けた。その後ろでエラが、困ったような顔をしている。
「レルナー様。エーミール様がおっしゃるように、わたしはリーゼロッテお嬢様の侍女でございます。どうかレルナー様もそのようにお扱いください」
「エデラー嬢はガードが堅いな。まあ、気が向いたら言ってくれ。オレはいつでも待ってるぜ」
その言葉にマテアスとエーミールが鋭い視線を向ける。
「おっと、こっちも怖い怖い」
そう言いながらユリウスは、ジークヴァルトの腕からリーゼロッテをひょいと奪った。
「グレーデンの女帝の機嫌を損ねるわけにはいかんだろう? 男らしくあきらめろ」