氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
『うまいこと気に入られたみたいだね』
「わたくし、うまくやれたのでしょうか……」
日本での記憶だと、自分に今日のようなイベントを卒なくこなすことは難しいように思える。しかし、いざというときには何とかなるだろうという根拠のない自信が、リーゼロッテの中にはなぜだかあった。
出だしはヒヤッとしたが、ウルリーケにはいつでも来ていいと言われたし、ジークヴァルトの守り石も持って行ってもらえたようだ。これはうまくやれたとみていいのかもしれない。
『大丈夫じゃない? 彼女、気に入らない人間は徹底的に排除にかかるから』
軽い口調でそう言われ、リーゼロッテはそこでやっと驚いたように声の主を振り返った。
「ジークハルト様!?」
そこにはあぐらをかいて浮いている、ジークヴァルトの守護者の姿があった。目が合うと、にっこりと笑顔を返してくる。
「どうしてここに……」
グレーデン家はフーゲンベルク領から馬車で二時間程度の場所にある。ジークヴァルトと離れて大丈夫なのだろうか。
『いやあ、ヴァルトがさ、あんまりにもリーゼロッテが心配だ心配だって、うるさく言うもんだからさ。このオレがヴァルトに代わってここまでついてきたってわけ』
ぽかんとジークハルトを見上げたタイミングで、控えていたエラがリーゼロッテの元に戻ってきた。
「お嬢様?」
訝し気に声をかけられ、はっと居住まいを正した。自分以外にジークハルトの姿は見えない。このままエア会話を続けると、エラに余計な心配をかけてしまう。
「何でもないのよ。この温室が素晴らしくて、思わず花にしゃべりかけてしまったわ」
誤魔化すように言うと、エラは微笑ましそうに頷いた。
「わたくし、うまくやれたのでしょうか……」
日本での記憶だと、自分に今日のようなイベントを卒なくこなすことは難しいように思える。しかし、いざというときには何とかなるだろうという根拠のない自信が、リーゼロッテの中にはなぜだかあった。
出だしはヒヤッとしたが、ウルリーケにはいつでも来ていいと言われたし、ジークヴァルトの守り石も持って行ってもらえたようだ。これはうまくやれたとみていいのかもしれない。
『大丈夫じゃない? 彼女、気に入らない人間は徹底的に排除にかかるから』
軽い口調でそう言われ、リーゼロッテはそこでやっと驚いたように声の主を振り返った。
「ジークハルト様!?」
そこにはあぐらをかいて浮いている、ジークヴァルトの守護者の姿があった。目が合うと、にっこりと笑顔を返してくる。
「どうしてここに……」
グレーデン家はフーゲンベルク領から馬車で二時間程度の場所にある。ジークヴァルトと離れて大丈夫なのだろうか。
『いやあ、ヴァルトがさ、あんまりにもリーゼロッテが心配だ心配だって、うるさく言うもんだからさ。このオレがヴァルトに代わってここまでついてきたってわけ』
ぽかんとジークハルトを見上げたタイミングで、控えていたエラがリーゼロッテの元に戻ってきた。
「お嬢様?」
訝し気に声をかけられ、はっと居住まいを正した。自分以外にジークハルトの姿は見えない。このままエア会話を続けると、エラに余計な心配をかけてしまう。
「何でもないのよ。この温室が素晴らしくて、思わず花にしゃべりかけてしまったわ」
誤魔化すように言うと、エラは微笑ましそうに頷いた。