氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
◇
「ええ!? わたしがグレーデン家担当ですか? ちょっとそれだけは勘弁してくださいよ!」
ニコラウスの情けない叫び声で、アデライーデははっと我に返った。久しぶりの王城だ。最近はちょこちょこ来ているとはいえ、ここは、どうしてもあの日のことを思い出してしまう。
「いいんだよ。王族のオレが公爵家に行くしかねーんだから、お前がグレーデン家に行くのは当然だろうが」
「グレーデン家だって侯爵家じゃないですか! 伯爵家の人間であるわたしでは役不足ですよ! ここはアデライーデが担当するのが筋でしょう!」
アデライーデはフーゲンベルク家の人間だ。身内だから公爵家の捜査から外されるのは当然のことだが、グレーデン家は傍系とはいえアデライーデも私情を挟むことはないだろう。
「なんだあ? お前、騎士団の総司令にたてつこうってのか? アデライーデをあの婆さん会わせるわけにはいかねえんだよ」
「横暴には断固抗議します! 普段からそれを許しているのはバルバナス様でしょう!? だったら、わたしが頑張ってフーゲンベルク家を担当しますから、バルバナス様がグレーデン家に行ってください!」
「ああ? オレにあの鉄の婆さんに会いにいけってのか? 死んでもやなこった」
「めちゃくちゃ私情じゃないですか! ウルリーケ様はバルバナス様のご身内なんでしょう? なんでそんなに嫌がるんですか! それを言うならわたしだってご免ですよ! グレーデン家って言ったら、めちゃくちゃ厳格な家なんですよ! あああ、絶対に家にも迷惑がかかる! ブラル家はもうおしまいだっ」
ニコラウスは栗色の頭を抱えてうんうんとうなっている。目の前のやりとりを黙って見ていたアデライーデは、さえぎるように二人の間に割って入った。
「ええ!? わたしがグレーデン家担当ですか? ちょっとそれだけは勘弁してくださいよ!」
ニコラウスの情けない叫び声で、アデライーデははっと我に返った。久しぶりの王城だ。最近はちょこちょこ来ているとはいえ、ここは、どうしてもあの日のことを思い出してしまう。
「いいんだよ。王族のオレが公爵家に行くしかねーんだから、お前がグレーデン家に行くのは当然だろうが」
「グレーデン家だって侯爵家じゃないですか! 伯爵家の人間であるわたしでは役不足ですよ! ここはアデライーデが担当するのが筋でしょう!」
アデライーデはフーゲンベルク家の人間だ。身内だから公爵家の捜査から外されるのは当然のことだが、グレーデン家は傍系とはいえアデライーデも私情を挟むことはないだろう。
「なんだあ? お前、騎士団の総司令にたてつこうってのか? アデライーデをあの婆さん会わせるわけにはいかねえんだよ」
「横暴には断固抗議します! 普段からそれを許しているのはバルバナス様でしょう!? だったら、わたしが頑張ってフーゲンベルク家を担当しますから、バルバナス様がグレーデン家に行ってください!」
「ああ? オレにあの鉄の婆さんに会いにいけってのか? 死んでもやなこった」
「めちゃくちゃ私情じゃないですか! ウルリーケ様はバルバナス様のご身内なんでしょう? なんでそんなに嫌がるんですか! それを言うならわたしだってご免ですよ! グレーデン家って言ったら、めちゃくちゃ厳格な家なんですよ! あああ、絶対に家にも迷惑がかかる! ブラル家はもうおしまいだっ」
ニコラウスは栗色の頭を抱えてうんうんとうなっている。目の前のやりとりを黙って見ていたアデライーデは、さえぎるように二人の間に割って入った。