氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
「大丈夫。アンネマリー嬢ならちゃんと受け止めてくれますよ」
「お前に言われるとなんだか腹が立つな」
「そうお思いになるなら、さっさと自分のものにすればよろしいのに。ようやく欲しいものを手に入れたんです。誰にも遠慮することはないでしょう?」
カイのその言葉に、ハインリヒがはっとした顔をした。
「カイ……その、わたしばかりが浮かれてしまって……本当にすまな」
「それ以上言ったら、さすがのオレも怒りますよ。オレ、同情されるのがいちばん嫌いなんです」
真剣な声音に、ハインリヒはそのままぐっと口をつぐんだ。
「そんな顔しないでください。しあわせになるのに誰の許可もいりませんよ。遠慮せずに思い切りアンネマリー嬢としあわせになってください」
「ああ……ありがとう、カイ」
そう答えたハインリヒの顔は、裏腹に苦しげに歪められた。
「婚儀の折にはまた戻ってきますから。その時にでも戦果を聞かせてください」
そんなハインリヒにカイはいつもの笑顔を向けた。「健闘を祈ります」とウィンクを残して、カイは部屋を後にする。その後ろ姿をハインリヒは黙って見送った。
「お前に言われるとなんだか腹が立つな」
「そうお思いになるなら、さっさと自分のものにすればよろしいのに。ようやく欲しいものを手に入れたんです。誰にも遠慮することはないでしょう?」
カイのその言葉に、ハインリヒがはっとした顔をした。
「カイ……その、わたしばかりが浮かれてしまって……本当にすまな」
「それ以上言ったら、さすがのオレも怒りますよ。オレ、同情されるのがいちばん嫌いなんです」
真剣な声音に、ハインリヒはそのままぐっと口をつぐんだ。
「そんな顔しないでください。しあわせになるのに誰の許可もいりませんよ。遠慮せずに思い切りアンネマリー嬢としあわせになってください」
「ああ……ありがとう、カイ」
そう答えたハインリヒの顔は、裏腹に苦しげに歪められた。
「婚儀の折にはまた戻ってきますから。その時にでも戦果を聞かせてください」
そんなハインリヒにカイはいつもの笑顔を向けた。「健闘を祈ります」とウィンクを残して、カイは部屋を後にする。その後ろ姿をハインリヒは黙って見送った。