氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
しばらくしてから、再び書斎の本棚の前まで歩いていく。そこにある一冊の本を押し込めば、アンネマリーのいる星読みの間へと続く通路が現れる。そこに手を伸ばしかけて、ハインリヒは躊躇したように手を止めた。
実を言うと、以前アンネマリーが星読みの間に滞在していた時に、この通路を辿って行ったことが何度も何度もあった。星読みの間の手前まで行っては、その先の気配を確かめた。この扉の向こうにアンネマリーがいる。そう思うと心も体も高鳴った。
その時はアンネマリーに触れることは叶わないと思っていたので、手前まで行ってはすごすごと帰ってきていたのだが。アンネマリーに触りたい放題にできる今となっては、会いに行ったが最後、自分を止めることはできそうにない。
アンネマリーは唯一自分が触れられる女性であり、心から触れたいと思う唯一の女性だ。そんな彼女にこんな時間に会いに行ったら、例え泣いて嫌がれたとしても、もう自分を止める自信がハインリヒにはなかった。
本棚に片手をつき、大きく息を吐く。この先にアンネマリーがいる。そう思うと、いてもたってもいられない。
会いたい。行ってはいけない。でも会いたい。
そんな思いが堂々巡りに沸き起こる。
その時、壁の奥でかちりと鳴って、目の前の本棚が音を立ててスライドしていった。冷たい風が入り込み、ハインリヒの髪をふわりと揺らした。
暗がりから人が現れる。目に前に立つのは、今まさに会いたいと思っていた、愛しくてたまらないアンネマリーだった。
実を言うと、以前アンネマリーが星読みの間に滞在していた時に、この通路を辿って行ったことが何度も何度もあった。星読みの間の手前まで行っては、その先の気配を確かめた。この扉の向こうにアンネマリーがいる。そう思うと心も体も高鳴った。
その時はアンネマリーに触れることは叶わないと思っていたので、手前まで行ってはすごすごと帰ってきていたのだが。アンネマリーに触りたい放題にできる今となっては、会いに行ったが最後、自分を止めることはできそうにない。
アンネマリーは唯一自分が触れられる女性であり、心から触れたいと思う唯一の女性だ。そんな彼女にこんな時間に会いに行ったら、例え泣いて嫌がれたとしても、もう自分を止める自信がハインリヒにはなかった。
本棚に片手をつき、大きく息を吐く。この先にアンネマリーがいる。そう思うと、いてもたってもいられない。
会いたい。行ってはいけない。でも会いたい。
そんな思いが堂々巡りに沸き起こる。
その時、壁の奥でかちりと鳴って、目の前の本棚が音を立ててスライドしていった。冷たい風が入り込み、ハインリヒの髪をふわりと揺らした。
暗がりから人が現れる。目に前に立つのは、今まさに会いたいと思っていた、愛しくてたまらないアンネマリーだった。