氷の王子と消えた託宣 -龍の託宣2-
「先ほどの洗練された儀式といい、ますますご健勝のようですな」
王妃の体を上から下までねめつけるように見る神官に、後ろに控えたルイーズの顔がしかめられる。それを軽く手で制すると、王妃は妖艶な笑みを口元に浮かべた。
「ミヒャエル司祭枢機卿……あなたも変わらずの様子、何よりね」
「ありがたきお言葉……このミヒャエル、感激のあまり涙が出そうです」
下卑た笑いを乗せ、再び王妃の体をじろじろとぶしつけに見ている枢機卿に、後ろにいた女性騎士が気色ばんだ。
「控えなさい」
王妃は静かな声で言うと、司祭枢機卿は大きな体をゆすって勝ち誇ったように嗤い声をあげた。
「先日は、わたしの誕生を祝う会に出席してくださり、誠にありがとうございます。本来なら王太子殿下にご出席いただくはずだったところ、イジドーラ様自ら買って出ていただけたとか。美しいイジドーラ様に心から祝ってもらえるなど、光栄の極みですな」
「重要な執務を王より任され、王太子は日々忙しい身。些細な公務くらい、引き受けてやるのが親心というものでしょう?」
イジドーラ王妃が涼しい顔でそう返すと、後ろに控えた女性騎士が、噴き出したのをごまかすような中途半端な息を漏らした。ミヒャエル司祭枢機卿は引きつった顔を赤くして、その女性騎士を睨みつける。
「さあ、王女が待っているわ。戻りましょう」
そこをどけと暗ににおわせるが、ミヒャエルは不遜な笑みをたたえ、無理矢理イジドーラ王妃の手を取った。
「美しきイジドーラ様に青龍のご加護があらんことを」
王妃の体を上から下までねめつけるように見る神官に、後ろに控えたルイーズの顔がしかめられる。それを軽く手で制すると、王妃は妖艶な笑みを口元に浮かべた。
「ミヒャエル司祭枢機卿……あなたも変わらずの様子、何よりね」
「ありがたきお言葉……このミヒャエル、感激のあまり涙が出そうです」
下卑た笑いを乗せ、再び王妃の体をじろじろとぶしつけに見ている枢機卿に、後ろにいた女性騎士が気色ばんだ。
「控えなさい」
王妃は静かな声で言うと、司祭枢機卿は大きな体をゆすって勝ち誇ったように嗤い声をあげた。
「先日は、わたしの誕生を祝う会に出席してくださり、誠にありがとうございます。本来なら王太子殿下にご出席いただくはずだったところ、イジドーラ様自ら買って出ていただけたとか。美しいイジドーラ様に心から祝ってもらえるなど、光栄の極みですな」
「重要な執務を王より任され、王太子は日々忙しい身。些細な公務くらい、引き受けてやるのが親心というものでしょう?」
イジドーラ王妃が涼しい顔でそう返すと、後ろに控えた女性騎士が、噴き出したのをごまかすような中途半端な息を漏らした。ミヒャエル司祭枢機卿は引きつった顔を赤くして、その女性騎士を睨みつける。
「さあ、王女が待っているわ。戻りましょう」
そこをどけと暗ににおわせるが、ミヒャエルは不遜な笑みをたたえ、無理矢理イジドーラ王妃の手を取った。
「美しきイジドーラ様に青龍のご加護があらんことを」