寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
「なんにせよ、ウルリーケ様のご容態が心配だわ……できればお見舞いにお伺いしたいけれど」
「はは、ジークヴァルト様が許さないだろうね」
訪問したグレーデン家で星を堕とす者に襲われて以来、ジークヴァルトはグレーデン家に行くことを決して許さなかった。手紙でのやり取りだけは、しぶしぶ許可してもらった経緯がある。
「でしたらお見舞いの品をお届けするのはいかがでしょう?」
「そう言えば、ちょうど刺繍のハンカチができたところだったわね。お見舞いの品になるかはわからないけれど、手紙だけで済ますのはわたくしも嫌だわ」
そのハンカチは、会いに行けないウルリーケのために刺繍していたものだった。また遊びに行くと言ったのに、その約束は果たせずにいる。
「でもそのハンカチは、公爵家のお部屋に置いてきてしまったの。ロミルダに頼んで代わりに届けてもらってもいいのだけれど……」
だが、そのハンカチは鍵付きの引き出しにしまってある。しかも、それを開ける鍵は、今リーゼロッテの手元にあった。
「よろしければわたしがお届けしてまいりましょうか?」
「そうね……お加減がよろしくないのなら、早く元気づけて差し上げたいわ」
手間をかけさせて申し訳ないと思ったが、エラにはハンカチを取りに一度公爵家に行ってもらって、そのままウルリーケに届けてもらうことにした。ジークヴァルトにお願いすれば、グレーデン家へと馬車を出してくれるだろう。
リーゼロッテはウルリーケへとお見舞いの手紙をしたため、それもエラの手へと託したのだった。
「はは、ジークヴァルト様が許さないだろうね」
訪問したグレーデン家で星を堕とす者に襲われて以来、ジークヴァルトはグレーデン家に行くことを決して許さなかった。手紙でのやり取りだけは、しぶしぶ許可してもらった経緯がある。
「でしたらお見舞いの品をお届けするのはいかがでしょう?」
「そう言えば、ちょうど刺繍のハンカチができたところだったわね。お見舞いの品になるかはわからないけれど、手紙だけで済ますのはわたくしも嫌だわ」
そのハンカチは、会いに行けないウルリーケのために刺繍していたものだった。また遊びに行くと言ったのに、その約束は果たせずにいる。
「でもそのハンカチは、公爵家のお部屋に置いてきてしまったの。ロミルダに頼んで代わりに届けてもらってもいいのだけれど……」
だが、そのハンカチは鍵付きの引き出しにしまってある。しかも、それを開ける鍵は、今リーゼロッテの手元にあった。
「よろしければわたしがお届けしてまいりましょうか?」
「そうね……お加減がよろしくないのなら、早く元気づけて差し上げたいわ」
手間をかけさせて申し訳ないと思ったが、エラにはハンカチを取りに一度公爵家に行ってもらって、そのままウルリーケに届けてもらうことにした。ジークヴァルトにお願いすれば、グレーデン家へと馬車を出してくれるだろう。
リーゼロッテはウルリーケへとお見舞いの手紙をしたため、それもエラの手へと託したのだった。