寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
◇
泣きつかれたツェツィーリアの寝顔を見つめながら、リーゼロッテは小さくため息をこぼした。成人した身だというのに、子供のように一緒に泣いてしまった。
ツェツィーリアが寂しくないようにと、大きなクマの縫いぐるみのアルフレートを横に寝かせる。自分にできることは何もない。それなのに、仕方のないことだと割り切るだけの強さを、今のリーゼロッテは持ち合わせていなかった。
「リーゼロッテお嬢様、公爵様がお嬢様とお話したいとのことで、今マテアスが来ているのですが……」
遠慮がちにエラが声をかけてくる。泣きはらした瞳で振り返り、リーゼロッテは静かに首を振った。
「ツェツィーリア様のおそばを離れたくはないわ。悪いのだけれど、今日は気分がすぐれないからと、お断りしてもらえないかしら」
「承知いたしました。このエラにお任せください」
安心させるように頷いて、エラは寝室を出ていった。
自分のことなら、どうとでもできる。丸く収まるように、自分さえ我慢すればいいだけの話だ。だが、人の痛みだけはどうにもならない。再び口からため息が漏れた。
(一緒に泣くことしかできないなんて……)
自分の無力さを思って、リーゼロッテは三度目のため息を小さくついた。
泣きつかれたツェツィーリアの寝顔を見つめながら、リーゼロッテは小さくため息をこぼした。成人した身だというのに、子供のように一緒に泣いてしまった。
ツェツィーリアが寂しくないようにと、大きなクマの縫いぐるみのアルフレートを横に寝かせる。自分にできることは何もない。それなのに、仕方のないことだと割り切るだけの強さを、今のリーゼロッテは持ち合わせていなかった。
「リーゼロッテお嬢様、公爵様がお嬢様とお話したいとのことで、今マテアスが来ているのですが……」
遠慮がちにエラが声をかけてくる。泣きはらした瞳で振り返り、リーゼロッテは静かに首を振った。
「ツェツィーリア様のおそばを離れたくはないわ。悪いのだけれど、今日は気分がすぐれないからと、お断りしてもらえないかしら」
「承知いたしました。このエラにお任せください」
安心させるように頷いて、エラは寝室を出ていった。
自分のことなら、どうとでもできる。丸く収まるように、自分さえ我慢すればいいだけの話だ。だが、人の痛みだけはどうにもならない。再び口からため息が漏れた。
(一緒に泣くことしかできないなんて……)
自分の無力さを思って、リーゼロッテは三度目のため息を小さくついた。