寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
突っぱねるようにルカの胸を押す。しかし、ルカは反対にさらにきつく、ツェツィーリアを抱きしめてきた。
「よかった……! ツェツィー様はこれからずっとわたしのものです」
「だから、わたくしにはもう……!」
かみ合わない会話を続けるふたりの後ろで、グロースクロイツがわざとらしい咳をひとつした。
「ツェツィーお嬢様。おせっかいながら、お耳にいれて差し上げたいことがございます」
「何? 今取り込み中よっ」
「まぁまぁ、そうおっしゃらずにお聞きになってください。旦那様がお決めになったお嬢様の婚約者様のことなのですが」
「いやよ! 聞きたくないっ」
耳を塞ぎにかかるツェツィーリアに、ルカが驚きの顔を向けた。
「待ってください。ツェツィー様はその話をご存じないのですか?」
「ええ、何しろ最後まで話を聞かずに、レルナー家を飛び出してきましたもので……」
グロースクロイツの言葉に、ルカは神妙に頷いた。
「では、改めてわたしから申し上げます。ツェツィーリア様、どうぞ、わたしの妻になってください。必ずしあわせにすると誓います」
目の前で跪かれて手を取られる。面食らったままツェツィーリアは一歩後ずさった。
「だ、だからわたくしにはもう……」
「まったく、察しのお悪いお嬢様ですね」
後ろで盛大にため息をつかれ、ツェツィーリアはぎっとグロースクロイツを睨み上げた。
「ですから、その旦那様がお決めになった婚約者様こそが、今、お嬢様の目の前にいらっしゃるルカ・ダーミッシュ様なのですよ」
「……え?」
やれやれと言ったように首を振るグロースクロイツを見上げ、次いでツェツィーリアはルカの顔を見た。
「本当……なの?」
「はい、この度ツェツィーリア様への求婚を、レルナー公爵様に了承していただけました」
満面の笑みでルカは頷いた。立ち上がり、愛おしそうにツェツィーリアを覗き込む。
「ツェツィー様の愛の告白は確かに受け取りました。そのお気持ちを確認できて、わたしも本当にうれしいです。必ずあなたをしあわせにすると誓います!」
再びぎゅうっと抱きしめられて、ツェツィーリアの頬はおもしろいくらいに赤く染まった。
「あ、愛の告白なんて、わたくし絶対にしていないんだからっ」
「いいえ、ばっちりしておりましたね」
グロースクロイツの突っ込みに、ツェツィーリアの意味不明な絶叫が、廊下の端まで響き渡った。
「よかった……! ツェツィー様はこれからずっとわたしのものです」
「だから、わたくしにはもう……!」
かみ合わない会話を続けるふたりの後ろで、グロースクロイツがわざとらしい咳をひとつした。
「ツェツィーお嬢様。おせっかいながら、お耳にいれて差し上げたいことがございます」
「何? 今取り込み中よっ」
「まぁまぁ、そうおっしゃらずにお聞きになってください。旦那様がお決めになったお嬢様の婚約者様のことなのですが」
「いやよ! 聞きたくないっ」
耳を塞ぎにかかるツェツィーリアに、ルカが驚きの顔を向けた。
「待ってください。ツェツィー様はその話をご存じないのですか?」
「ええ、何しろ最後まで話を聞かずに、レルナー家を飛び出してきましたもので……」
グロースクロイツの言葉に、ルカは神妙に頷いた。
「では、改めてわたしから申し上げます。ツェツィーリア様、どうぞ、わたしの妻になってください。必ずしあわせにすると誓います」
目の前で跪かれて手を取られる。面食らったままツェツィーリアは一歩後ずさった。
「だ、だからわたくしにはもう……」
「まったく、察しのお悪いお嬢様ですね」
後ろで盛大にため息をつかれ、ツェツィーリアはぎっとグロースクロイツを睨み上げた。
「ですから、その旦那様がお決めになった婚約者様こそが、今、お嬢様の目の前にいらっしゃるルカ・ダーミッシュ様なのですよ」
「……え?」
やれやれと言ったように首を振るグロースクロイツを見上げ、次いでツェツィーリアはルカの顔を見た。
「本当……なの?」
「はい、この度ツェツィーリア様への求婚を、レルナー公爵様に了承していただけました」
満面の笑みでルカは頷いた。立ち上がり、愛おしそうにツェツィーリアを覗き込む。
「ツェツィー様の愛の告白は確かに受け取りました。そのお気持ちを確認できて、わたしも本当にうれしいです。必ずあなたをしあわせにすると誓います!」
再びぎゅうっと抱きしめられて、ツェツィーリアの頬はおもしろいくらいに赤く染まった。
「あ、愛の告白なんて、わたくし絶対にしていないんだからっ」
「いいえ、ばっちりしておりましたね」
グロースクロイツの突っ込みに、ツェツィーリアの意味不明な絶叫が、廊下の端まで響き渡った。