寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
後ろにいるエラの目の前でしゃがみこむと、マテアスはいきなりエラの足首に手をかけた。掴んだままぐいと持ち上げると、エラが悲鳴を上げて後ろに倒れ込む。
「と、こんな感じで抜け出すことも可能です」
地面に倒れる寸前、エラの背を抱きとめ、マテアスは軽々と持ち上げた。胸に手を当てたエラは、なすがままにされて動けないでいる。
「び、びっくりした……」
「申し訳ございません。ですが鍛錬中は、お気を抜かないようになさってください。おっと、もう時間のようですね。本日はここまでといたしましょう」
にっこり笑うと、マテアスはエラの体を下へと降ろした。
「では、エラ様、お部屋までお送りいたします」
「いえ、ひとりで戻れます。教えてもらっている立場で、そこまでしてもらうのは申し訳ないです」
「いいえ。早朝とは言え、エラ様おひとりでお帰しするのは心配です。送り迎えをさせて頂けないのなら、この鍛錬も続けるわけには参りませんねぇ」
そう言われて、仕方なくエラはマテアスと共に歩き出した。マテアスにはいつも丸め込まれているように思えてならない。そう思っても、口にすることはないのだが。
「万が一怪我をなさったら、隠さずにおっしゃってくださいね。無理をすると元も子もありませんから」
「はい、わかりました」
素直に返事をしたものの、多少の怪我など黙っていればわからないだろうと、エラは心の中では思っていた。忙しいマテアスに時間を取ってもらうのにも限界がある。早く技術を身につけなくてはと、逸る気持ちでいっぱいだった。
「と、こんな感じで抜け出すことも可能です」
地面に倒れる寸前、エラの背を抱きとめ、マテアスは軽々と持ち上げた。胸に手を当てたエラは、なすがままにされて動けないでいる。
「び、びっくりした……」
「申し訳ございません。ですが鍛錬中は、お気を抜かないようになさってください。おっと、もう時間のようですね。本日はここまでといたしましょう」
にっこり笑うと、マテアスはエラの体を下へと降ろした。
「では、エラ様、お部屋までお送りいたします」
「いえ、ひとりで戻れます。教えてもらっている立場で、そこまでしてもらうのは申し訳ないです」
「いいえ。早朝とは言え、エラ様おひとりでお帰しするのは心配です。送り迎えをさせて頂けないのなら、この鍛錬も続けるわけには参りませんねぇ」
そう言われて、仕方なくエラはマテアスと共に歩き出した。マテアスにはいつも丸め込まれているように思えてならない。そう思っても、口にすることはないのだが。
「万が一怪我をなさったら、隠さずにおっしゃってくださいね。無理をすると元も子もありませんから」
「はい、わかりました」
素直に返事をしたものの、多少の怪我など黙っていればわからないだろうと、エラは心の中では思っていた。忙しいマテアスに時間を取ってもらうのにも限界がある。早く技術を身につけなくてはと、逸る気持ちでいっぱいだった。