寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
「あの、わたし……子供のころから母に教えられていて……」
「そうでしたの」
リーゼロッテはこの少女の母親がすでに亡くなっていると聞いていた。きっと話したくない事情もあるに違いない。そう思ってリーゼロッテは話題を変えた。
「ルチア様の社交界デビューまでは一年以上ありますから、きっと心配いらないですわ。お言葉遣いは少しずつ覚えていけばよろしいですし」
「でも今度、侯爵家で開かれる夜会に出るようにブルーメ家から言われていて。わたし、いえ、わたくしそれが不安で……」
「まあ、夜会に?」
「ひと月後にデルプフェルト家で小規模な夜会が行われるとのことです。その……お嬢様と公爵様も、ご出席予定と聞いております」
「え? そうなの?」
エラの言葉に驚いたリーゼロッテは、気を取り直してルチアに微笑みかけた。
「わたくしも招待されているようですから、何も心配はございませんわ」
「はい、心強いです……」
言葉とは裏腹にルチアは不安げなままだ。
「ルチア様は、エスコートは誰にしていただくの?」
「ブルーメ子爵……いえ、あの、義父が……」
養子になったばかりで呼び慣れていないのだろう。リーゼロッテはその不自然さにあえて触れなかった。
「ブルーメ子爵様は父の従兄と聞いておりますから、わたくしもきちんとご挨拶しなくてはいけないですわね」
「え? ダーミッシュ伯爵様と従兄弟なんですか?」
「いえ、わたくしもルチア様と同じで実は養子なの。ですので、ダーミッシュの義父ではなく実父の従兄ですわ」
「あ、わたし伯爵令嬢様に失礼なことを……」
「お気になさらないで大丈夫ですわ。特に隠していることではありませんから。それにルチア様、これからはリーゼロッテと呼んでくださいませね? わたくしたち、もうお友達でしょう?」
手を取ると、ルチアは動揺したように首を振った。
「そうでしたの」
リーゼロッテはこの少女の母親がすでに亡くなっていると聞いていた。きっと話したくない事情もあるに違いない。そう思ってリーゼロッテは話題を変えた。
「ルチア様の社交界デビューまでは一年以上ありますから、きっと心配いらないですわ。お言葉遣いは少しずつ覚えていけばよろしいですし」
「でも今度、侯爵家で開かれる夜会に出るようにブルーメ家から言われていて。わたし、いえ、わたくしそれが不安で……」
「まあ、夜会に?」
「ひと月後にデルプフェルト家で小規模な夜会が行われるとのことです。その……お嬢様と公爵様も、ご出席予定と聞いております」
「え? そうなの?」
エラの言葉に驚いたリーゼロッテは、気を取り直してルチアに微笑みかけた。
「わたくしも招待されているようですから、何も心配はございませんわ」
「はい、心強いです……」
言葉とは裏腹にルチアは不安げなままだ。
「ルチア様は、エスコートは誰にしていただくの?」
「ブルーメ子爵……いえ、あの、義父が……」
養子になったばかりで呼び慣れていないのだろう。リーゼロッテはその不自然さにあえて触れなかった。
「ブルーメ子爵様は父の従兄と聞いておりますから、わたくしもきちんとご挨拶しなくてはいけないですわね」
「え? ダーミッシュ伯爵様と従兄弟なんですか?」
「いえ、わたくしもルチア様と同じで実は養子なの。ですので、ダーミッシュの義父ではなく実父の従兄ですわ」
「あ、わたし伯爵令嬢様に失礼なことを……」
「お気になさらないで大丈夫ですわ。特に隠していることではありませんから。それにルチア様、これからはリーゼロッテと呼んでくださいませね? わたくしたち、もうお友達でしょう?」
手を取ると、ルチアは動揺したように首を振った。