寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
◇
「開けますよっ!」
コココココン! と忙しなくノックしてから、返事を待たずにカイは乱暴に扉を開けた。
「一体なにやってくれてるんですか! 危うくオレ死にかけましたよ!」
部屋の中には予想通りのふたりがいた。真っ赤になったリーゼロッテを膝に乗せ、ジークヴァルトがその口にせっせと菓子を運んでいる。
口に入れても入れても、リーゼロッテの体からはぽっぽぽっぽと緑の力があふれ出ている。力を消費した分を補うように、ジークヴァルトが嬉々としてその口に菓子を詰め込んでいた。
「あー、もう……」
とっちらかった室内。熟れたビョウのように頬を染めるリーゼロッテ。今まで見たことのないくらい上機嫌なジークヴァルト。これを掛け合わせれば、自ずと何があったかはわかるというものだ。
(さっきまですごくぎくしゃくした様子だったのに……)
夜会の会場でのふたりは、遠目に見ても物凄くこじれているようだった。いい感じですれ違っている様をおもしろく見学していたというのに、一体何があったのやらだ。
「カイ、菓子が足りない」
「はいはい、わかりました。ジークヴァルト様、この度は誠におめでとうございます。菓子は公爵家の馬車に詰め込んでおきますので、今すぐとっとと帰ってください」
このままでは屋敷全体が破壊されそうな勢いだ。ジークヴァルトが頬を撫でさするたびにリーゼロッテが赤くなり、それを見たジークヴァルトが公爵家の呪いを発動させている。リーゼロッテからあふれた力が周囲の異形を瞬殺し、それを先ほどからずっと繰り返している。
しかもこの部屋は、リーゼロッテの浄化の力が充満していた。扉を開けただけでも気を失いそうだ。
「開けますよっ!」
コココココン! と忙しなくノックしてから、返事を待たずにカイは乱暴に扉を開けた。
「一体なにやってくれてるんですか! 危うくオレ死にかけましたよ!」
部屋の中には予想通りのふたりがいた。真っ赤になったリーゼロッテを膝に乗せ、ジークヴァルトがその口にせっせと菓子を運んでいる。
口に入れても入れても、リーゼロッテの体からはぽっぽぽっぽと緑の力があふれ出ている。力を消費した分を補うように、ジークヴァルトが嬉々としてその口に菓子を詰め込んでいた。
「あー、もう……」
とっちらかった室内。熟れたビョウのように頬を染めるリーゼロッテ。今まで見たことのないくらい上機嫌なジークヴァルト。これを掛け合わせれば、自ずと何があったかはわかるというものだ。
(さっきまですごくぎくしゃくした様子だったのに……)
夜会の会場でのふたりは、遠目に見ても物凄くこじれているようだった。いい感じですれ違っている様をおもしろく見学していたというのに、一体何があったのやらだ。
「カイ、菓子が足りない」
「はいはい、わかりました。ジークヴァルト様、この度は誠におめでとうございます。菓子は公爵家の馬車に詰め込んでおきますので、今すぐとっとと帰ってください」
このままでは屋敷全体が破壊されそうな勢いだ。ジークヴァルトが頬を撫でさするたびにリーゼロッテが赤くなり、それを見たジークヴァルトが公爵家の呪いを発動させている。リーゼロッテからあふれた力が周囲の異形を瞬殺し、それを先ほどからずっと繰り返している。
しかもこの部屋は、リーゼロッテの浄化の力が充満していた。扉を開けただけでも気を失いそうだ。