寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
「レルナー領から良質な鉄鉱石を安く仕入れる代わりに、ブランド化した剃刀の売り上げの一部をレルナー家に還元するというのはどうでしょう? ダーミッシュ領の特産で貴族向けの品は、女性用コスメに偏っています。これを機に男性用商品にも力を入れれば、我が領にも大きな益をもたらすのではないでしょうか?」
「いい考えだ。だが、それだけではまだ足りないな。レルナー印のロゴを提案してプレミアをつければ、レルナー産の鉄鉱石の知名度も上がる。同時にレルナー家の名声も上がるだろう。その話をすればレルナー公爵も、こちらの申し出に耳を傾けてくださるかもしれない」
レルナー家には、フーゲンベルク家の馬や高級家具のように、ハイブランドの特産がない。両家は先々代同士が仲違いをしてからあまりいい関係にはないので、そのことを余計にレルナー家は悔しがっている様子だ。
「さすが父上、公爵家ですから、富よりも名声を重んじるのはもっともなことです。……え? ですがそれってもしかして、この話をレルナー家に持ち掛けてくださるということですか?」
「ああ、お前には根負けしたよ。この話を手土産に、ツェツィーリア様に婚約を申し込むことにしよう」
フーゴがルカの頭に手を置くと、ルカは頬を紅潮させてフーゴを見上げた。
「ありがとうございます、父上!!」
「だがもっと話を煮詰めてからだ。根拠のない夢物語では門前払いをされるのが関の山だ。やるからにはわたしも全力を尽くそう。その上でレルナー家に断られたら、ルカ、お前もきっぱりとツェツィーリア様を諦めるんだぞ」
チャンスは一度きり。暗にフーゴからそう言われ、ルカはごくりと喉を鳴らして頷いた。
「いい考えだ。だが、それだけではまだ足りないな。レルナー印のロゴを提案してプレミアをつければ、レルナー産の鉄鉱石の知名度も上がる。同時にレルナー家の名声も上がるだろう。その話をすればレルナー公爵も、こちらの申し出に耳を傾けてくださるかもしれない」
レルナー家には、フーゲンベルク家の馬や高級家具のように、ハイブランドの特産がない。両家は先々代同士が仲違いをしてからあまりいい関係にはないので、そのことを余計にレルナー家は悔しがっている様子だ。
「さすが父上、公爵家ですから、富よりも名声を重んじるのはもっともなことです。……え? ですがそれってもしかして、この話をレルナー家に持ち掛けてくださるということですか?」
「ああ、お前には根負けしたよ。この話を手土産に、ツェツィーリア様に婚約を申し込むことにしよう」
フーゴがルカの頭に手を置くと、ルカは頬を紅潮させてフーゴを見上げた。
「ありがとうございます、父上!!」
「だがもっと話を煮詰めてからだ。根拠のない夢物語では門前払いをされるのが関の山だ。やるからにはわたしも全力を尽くそう。その上でレルナー家に断られたら、ルカ、お前もきっぱりとツェツィーリア様を諦めるんだぞ」
チャンスは一度きり。暗にフーゴからそう言われ、ルカはごくりと喉を鳴らして頷いた。