寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
◇
しばらくののち、ツェツィーリアはルカに手を引かれレルナー家に戻ってきた。そのことにも驚いたが、あの手の付けられないツェツィーリアが、ルカの前では嘘のようにしおらしくしている。それを見て、相手選びに間違いはなかったと、レルナー公爵は大いに満足した。
そして正式に婚約の契約は交わされ、レルナー家も安泰の道をたどることになる。
今日はそのルカがツェツィーリアに面会に来ていた。かんしゃく持ちのツェツィーリアをうまいこと御するルカに対して、家を上げての歓待ぶりを見せている。
それだけレルナー家はツェツィーリアに手を焼いていた。仲良く庭を散策するふたりを、邪魔するでもなくみな遠巻きに見守っている。
「ツェツィー様とこうしてレルナー家でお会いできるようになり、わたしも本当にうれしいです」
「勘違いしないで。わたくしはお義父様に言われて、仕方なく散歩に付き合っているだけよ。ルカが婚約者になったのは、お義父様が勝手に決めたことだもの」
「はい、申し出を公爵様に承諾していただけたときは、天にも昇る気持ちとなりました! 必ずツェツィー様をしあわせにすると誓います」
「そ、そんなの当たり前のことでしょう? それを破ったら絶対に許さないんだから」
顔を赤くしてつんと顔をそむけると、ツェツィーリアはひとりで庭の奥へと進んでいった。その後ろをルカはニコニコしながらついてくる。
「その香り、つけてくださっているのですね。ツェツィー様にお似合いで、わたしはとてもうれしいです」
「婚約者になったんだもの。香水くらいならつけてあげてもいいって思っただけよ」
「はい! とってもうれしいです」
むすっとした顔で進んでいたツェツィーリアは、ふいにルカに手を取られその足を止めた。気づくと周囲に人影もない、随分と奥まった庭へと来てしまっていた。
しばらくののち、ツェツィーリアはルカに手を引かれレルナー家に戻ってきた。そのことにも驚いたが、あの手の付けられないツェツィーリアが、ルカの前では嘘のようにしおらしくしている。それを見て、相手選びに間違いはなかったと、レルナー公爵は大いに満足した。
そして正式に婚約の契約は交わされ、レルナー家も安泰の道をたどることになる。
今日はそのルカがツェツィーリアに面会に来ていた。かんしゃく持ちのツェツィーリアをうまいこと御するルカに対して、家を上げての歓待ぶりを見せている。
それだけレルナー家はツェツィーリアに手を焼いていた。仲良く庭を散策するふたりを、邪魔するでもなくみな遠巻きに見守っている。
「ツェツィー様とこうしてレルナー家でお会いできるようになり、わたしも本当にうれしいです」
「勘違いしないで。わたくしはお義父様に言われて、仕方なく散歩に付き合っているだけよ。ルカが婚約者になったのは、お義父様が勝手に決めたことだもの」
「はい、申し出を公爵様に承諾していただけたときは、天にも昇る気持ちとなりました! 必ずツェツィー様をしあわせにすると誓います」
「そ、そんなの当たり前のことでしょう? それを破ったら絶対に許さないんだから」
顔を赤くしてつんと顔をそむけると、ツェツィーリアはひとりで庭の奥へと進んでいった。その後ろをルカはニコニコしながらついてくる。
「その香り、つけてくださっているのですね。ツェツィー様にお似合いで、わたしはとてもうれしいです」
「婚約者になったんだもの。香水くらいならつけてあげてもいいって思っただけよ」
「はい! とってもうれしいです」
むすっとした顔で進んでいたツェツィーリアは、ふいにルカに手を取られその足を止めた。気づくと周囲に人影もない、随分と奥まった庭へと来てしまっていた。