寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
◇
フーゲンベルク家のサロンで、リーゼロッテはルカとツェツィーリアを迎え入れた。正式に婚約者となったふたりが並び立つのを見て、思わず胸の奥が熱くなる。
「ツェツィーリア様……この度はご婚約おめでとうございます」
「別におめでたくなんてないわ。この婚約は、お義父様が勝手に決めたことだもの」
「ええ、そうですわね。でもわたくし、ツェツィーリア様と姉妹になれるかと思うと本当にうれしくて……」
リーゼロッテが瞳を潤ませると、うれしそうな顔を誤魔化すように、ツェツィーリアはつんと大きく顔を逸らした。
「そういうことなら、おとなしく妹になってあげてもいいわ。そのかわりリーゼロッテお姉様も、ずっと本当のお姉様よ? 絶対よ?」
「はい、もちろんです。ずっとツェツィーリア様の家族でいさせてくださいませ」
小さな体を抱きしめる。むっとした顔をしながらも、その頬はすでに真っ赤っかだ。ツェツィーリアも恐る恐ると言った感じで、リーゼロッテをきゅっと小さく抱きしめ返してきた。
「義姉上、もういいでしょう? さあ、ツェツィー様、こちらでわたしとお話しいたしましょう」
「まあ、ルカったらやきもちね?」
「当然です。義姉上たちと違って、わたしはツェツィー様といられる時間は限られているんですから」
ツェツィーリアの手を引いて、少し離れたソファへと連れていく。そんなふたりを微笑ましくエラと共にみやっていた。
「お嬢様もこちらでお茶を」
促されふたりの邪魔にならないようにと遠くへ座る。エラにも座るように言って、ともに紅茶の香りを楽しんだ。仲睦まじげに会話するふたりと、周囲をご機嫌ではしゃぎまわる小鬼たちを見やって、リーゼロッテもとても満たされた気持ちになった。
(わたしも負けていられないわね)
驚くことにジークヴァルトとは両思いだった。ずっと決められた婚約者だとばかり思っていたのに、自分の心の変化についていくのもやっとな毎日だ。
フーゲンベルク家のサロンで、リーゼロッテはルカとツェツィーリアを迎え入れた。正式に婚約者となったふたりが並び立つのを見て、思わず胸の奥が熱くなる。
「ツェツィーリア様……この度はご婚約おめでとうございます」
「別におめでたくなんてないわ。この婚約は、お義父様が勝手に決めたことだもの」
「ええ、そうですわね。でもわたくし、ツェツィーリア様と姉妹になれるかと思うと本当にうれしくて……」
リーゼロッテが瞳を潤ませると、うれしそうな顔を誤魔化すように、ツェツィーリアはつんと大きく顔を逸らした。
「そういうことなら、おとなしく妹になってあげてもいいわ。そのかわりリーゼロッテお姉様も、ずっと本当のお姉様よ? 絶対よ?」
「はい、もちろんです。ずっとツェツィーリア様の家族でいさせてくださいませ」
小さな体を抱きしめる。むっとした顔をしながらも、その頬はすでに真っ赤っかだ。ツェツィーリアも恐る恐ると言った感じで、リーゼロッテをきゅっと小さく抱きしめ返してきた。
「義姉上、もういいでしょう? さあ、ツェツィー様、こちらでわたしとお話しいたしましょう」
「まあ、ルカったらやきもちね?」
「当然です。義姉上たちと違って、わたしはツェツィー様といられる時間は限られているんですから」
ツェツィーリアの手を引いて、少し離れたソファへと連れていく。そんなふたりを微笑ましくエラと共にみやっていた。
「お嬢様もこちらでお茶を」
促されふたりの邪魔にならないようにと遠くへ座る。エラにも座るように言って、ともに紅茶の香りを楽しんだ。仲睦まじげに会話するふたりと、周囲をご機嫌ではしゃぎまわる小鬼たちを見やって、リーゼロッテもとても満たされた気持ちになった。
(わたしも負けていられないわね)
驚くことにジークヴァルトとは両思いだった。ずっと決められた婚約者だとばかり思っていたのに、自分の心の変化についていくのもやっとな毎日だ。