寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
「リーゼロッテお嬢様……」
エラの声掛けに我に返る。居住まいを正して、ふたたび腰を掛けた。
「あの、ヤスミン様……」
「ふふ、ご心配なさらなくても大丈夫ですわ。わたくし今日の事を誰かに話したりいたしませんから。わたくしを誰だと思っておいでですの? あのキュプカー隊長の娘ですのよ?」
ヤスミンがイザベラの声真似をしながら言うと、エラがぷっとふき出した。そんなエラを困ったようにみやりながらも、リーゼロッテも口元に小さく笑みを浮かべた。
「ヤスミン様は龍の託宣の存在をご存じなのですか?」
「ええ、もちろん。こう見えてわたくし、王太子妃殿下の信頼が厚いんですのよ。今日もアンネマリー様に何かあった時に、リーゼロッテ様をお助けするよう申し付かってきましたから」
「そうだったのですね」
「あら、もちろん、わたくし個人としても、リーゼロッテ様をお助けするのは当然と思っておりますのよ? ふふ、わたくしとリーゼロッテ様の仲じゃない」
再びイザベラの口調で言われ、リーゼロッテも今度こそ本格的に笑ってしまった。
「やっぱり妖精姫は笑顔がいちばんお似合いになりますわ」
「ありがとうございます、ヤスミン様」
ヤスミンはやさし気に微笑むと、その榛色の瞳をきらりと光らせた。
「時にリーゼロッテ様。先ほどからクラーラ様が、目を開けたまま気絶なさっているようですけれど」
「えっ!?」
驚いて見やると、マテアスの守り石を両手に握りしめたまま、クラーラは白目をむいて気絶をしている。
「ふふふ、イザベラ様に驚いてしまわれたのかしら?」
やはりのほほんとした調子で、ヤスミンはおいしそうに残りの紅茶を飲みほした。
そんなこんなでリーゼロッテ主催のお茶会は、とてもよそで話せないような顛末を迎えたのであった。
エラの声掛けに我に返る。居住まいを正して、ふたたび腰を掛けた。
「あの、ヤスミン様……」
「ふふ、ご心配なさらなくても大丈夫ですわ。わたくし今日の事を誰かに話したりいたしませんから。わたくしを誰だと思っておいでですの? あのキュプカー隊長の娘ですのよ?」
ヤスミンがイザベラの声真似をしながら言うと、エラがぷっとふき出した。そんなエラを困ったようにみやりながらも、リーゼロッテも口元に小さく笑みを浮かべた。
「ヤスミン様は龍の託宣の存在をご存じなのですか?」
「ええ、もちろん。こう見えてわたくし、王太子妃殿下の信頼が厚いんですのよ。今日もアンネマリー様に何かあった時に、リーゼロッテ様をお助けするよう申し付かってきましたから」
「そうだったのですね」
「あら、もちろん、わたくし個人としても、リーゼロッテ様をお助けするのは当然と思っておりますのよ? ふふ、わたくしとリーゼロッテ様の仲じゃない」
再びイザベラの口調で言われ、リーゼロッテも今度こそ本格的に笑ってしまった。
「やっぱり妖精姫は笑顔がいちばんお似合いになりますわ」
「ありがとうございます、ヤスミン様」
ヤスミンはやさし気に微笑むと、その榛色の瞳をきらりと光らせた。
「時にリーゼロッテ様。先ほどからクラーラ様が、目を開けたまま気絶なさっているようですけれど」
「えっ!?」
驚いて見やると、マテアスの守り石を両手に握りしめたまま、クラーラは白目をむいて気絶をしている。
「ふふふ、イザベラ様に驚いてしまわれたのかしら?」
やはりのほほんとした調子で、ヤスミンはおいしそうに残りの紅茶を飲みほした。
そんなこんなでリーゼロッテ主催のお茶会は、とてもよそで話せないような顛末を迎えたのであった。