寡黙な公爵と託宣の涙 -龍の託宣3-
◇
「なんだか大所帯になってしまったわ……」
「リーゼロッテ嬢の立場を思えば、当然ともいえる処遇じゃない? まあ、グレーデン家の一件があるから、オレも信用されてないんだろうけど」
迎えられたカーク子爵家で、カイと共にソファに座った。その後ろにはユリウスとエマニュエルにエラ、そして不動のカークが並んで立っている。
「カイ様までお呼び立てして、本当に申し訳ありません」
「はは、大丈夫だよ。龍の託宣に関する事と星を堕とす者にまつわる事は、王城騎士としてのオレの管轄だから。そう言えば、フーゲンベルク家で託宣を受けた者の日記が見つかったんだって? 今度オレにも読ませてよ」
「日記はジークヴァルト様が管理なさっていますわ。……カイ様はまだ託宣の調査をされているのですか?」
王子の消えた託宣の相手はアンネマリーだった。それが見つかった今、調べることなどあるのだろうか。
「実は見つかってない託宣が他にもあるんだ。ハインリヒ様の件は一件落着になったけど、オレの仕事はまだまだ残ってるってわけ」
「そうだったのですね」
「だから、こうしてカーク子爵家の書庫を確認できるのは、オレ的にも願ったり叶ったりだよ」
そんな会話をしていると、慌てたようなヨハンがやってきた。
「お待たせして申し訳ありません。ただいま当主である父が不在でして、わたしがご挨拶に」
「いきなり押しかけて申し訳ありませんわ、ヨハン様」
「とんでもございません!! 我がカーク家にリーゼロッテ様に来ていただくなど、光栄の極みっ」
「お兄様、少しは落ち着いて」
手をわちゃわちゃさせながら言うヨハンの後ろから、使用人に手を引かれた少々ふくよかな令嬢が現れた。
「ブランシュ!」
「わたし、ブランシュって言います。いつも兄がお世話になってます」
ブランシュはぺこりと頭を下げた。そのしぐさは貴族令嬢というよりも、慣れない使用人といった感じだ。
「ブランシュは視力を失っていて……その、多少の粗相は見逃していただけたらと……」
すまなそうに言うヨハンに、リーゼロッテは微笑み返した。
「なんだか大所帯になってしまったわ……」
「リーゼロッテ嬢の立場を思えば、当然ともいえる処遇じゃない? まあ、グレーデン家の一件があるから、オレも信用されてないんだろうけど」
迎えられたカーク子爵家で、カイと共にソファに座った。その後ろにはユリウスとエマニュエルにエラ、そして不動のカークが並んで立っている。
「カイ様までお呼び立てして、本当に申し訳ありません」
「はは、大丈夫だよ。龍の託宣に関する事と星を堕とす者にまつわる事は、王城騎士としてのオレの管轄だから。そう言えば、フーゲンベルク家で託宣を受けた者の日記が見つかったんだって? 今度オレにも読ませてよ」
「日記はジークヴァルト様が管理なさっていますわ。……カイ様はまだ託宣の調査をされているのですか?」
王子の消えた託宣の相手はアンネマリーだった。それが見つかった今、調べることなどあるのだろうか。
「実は見つかってない託宣が他にもあるんだ。ハインリヒ様の件は一件落着になったけど、オレの仕事はまだまだ残ってるってわけ」
「そうだったのですね」
「だから、こうしてカーク子爵家の書庫を確認できるのは、オレ的にも願ったり叶ったりだよ」
そんな会話をしていると、慌てたようなヨハンがやってきた。
「お待たせして申し訳ありません。ただいま当主である父が不在でして、わたしがご挨拶に」
「いきなり押しかけて申し訳ありませんわ、ヨハン様」
「とんでもございません!! 我がカーク家にリーゼロッテ様に来ていただくなど、光栄の極みっ」
「お兄様、少しは落ち着いて」
手をわちゃわちゃさせながら言うヨハンの後ろから、使用人に手を引かれた少々ふくよかな令嬢が現れた。
「ブランシュ!」
「わたし、ブランシュって言います。いつも兄がお世話になってます」
ブランシュはぺこりと頭を下げた。そのしぐさは貴族令嬢というよりも、慣れない使用人といった感じだ。
「ブランシュは視力を失っていて……その、多少の粗相は見逃していただけたらと……」
すまなそうに言うヨハンに、リーゼロッテは微笑み返した。