野いちご源氏物語 三九 御法(みのり)
これが最後になるだろうと、(むらさき)(うえ)(だい)規模(きぼ)なご法要(ほうよう)を急いで主催(しゅさい)なさった。
会場は源氏(げんじ)(きみ)の昔のお屋敷である二条(にじょう)(いん)よ。
紫の上にとっては、六条(ろくじょう)(いん)よりもこちらの方が思い出深く、ご自宅のような気がなさる。

僧侶(そうりょ)に与える着物をはじめとして、何もかも重々しく立派にご準備なさっていた。
<いつの間にこれほどの準備をなさったのだろうか。女の身では分からないことも慣れないことも多いはずなのに、私に頼らず完璧に手配してしまわれた。仏教(ぶっきょう)のことを(しん)に理解していないとできないことまできちんとできている。やはりこの上なくすばらしい人だ>
源氏の君は脇役(わきやく)に回って少しだけお手伝いなさる。

音楽や(まい)をする人たちの手配は、源氏の君のご子息(しそく)である大将(たいしょう)様が担当なさった。
(みかど)東宮(とうぐう)様からもお(きょう)の手配があった。
明石(あかし)女御(にょうご)様は中宮(ちゅうぐう)におなりになっていて、その中宮様からもお(そな)(もの)が届いたわ。
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