宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
「たいへんな目に合われましたね。お怪我はございませんか?」
まだ幼さの残るそばかすの少年は、あちこち擦り傷だらけだ。幸い血が流れている様子はないが、痛々しいことには変わりはなかった。
「はい、ありがとうございます。おかげで今日はまだましな方です。いつもは待っている間中、ずっと追いかけ回されてますから……」
「まあ、ずっと? 神官様は王女殿下に会いに来られたのですよね。それをずっと庭でお待たせするだなんて……」
「あ、いえ、ボクはまだ見習いで! もっと偉い方のお供でついてきているんです」
ぶんぶんと大きく首を振る。その拍子に落ちそうになり、少年は慌てて枝にしがみついた。その落ち着きのない動きは、確かに神官と言うにはなんとも頼りない。
「わたくしはリーゼロッテ。神官様のお名前も教えていただけるとうれしいですわ」
「ぼ、ボクはマルコです! まだ見習いなので、神官様だなんて呼ばれると何だか恥ずかしいや……」
「ではマルコ様とお呼びしてもよろしいですか? わたくしはリーゼロッテで構いませんから」
「リーゼロッテ様……」
ぽっと頬を染めたマルコに、リーゼロッテはにこっと笑顔を返した。ようやく見つけた話し相手だ。うれしくて仕方がない。
「ああっでもボクのことは呼び捨てでもっ」
「いいえ、今は見習いでも、マルコ様は将来立派な神官様になられるんですもの。そういう訳には参りませんわ」
マンボウが「オエッ」と合いの手のように返す。警戒はしているが、リーゼロッテが背をやさしくなでているせいか、マルコに襲い掛かることはしなくなった。
「マルコ様はどうして神官になろうと思われたのですか……?」
王女のいる東宮に、そうそう入れるものではない。見習いと言えど、選ばれた人間しか連れてこないだろう。しかしマルコはやはり神官に向いていないような気もして、リーゼロッテは思わず不躾な質問をしてしまった。
「……ボクには夢見の力があって、それで」
「まあ、夢見の! クリスティーナ様と同じ力をお持ちなのですね!」
まだ幼さの残るそばかすの少年は、あちこち擦り傷だらけだ。幸い血が流れている様子はないが、痛々しいことには変わりはなかった。
「はい、ありがとうございます。おかげで今日はまだましな方です。いつもは待っている間中、ずっと追いかけ回されてますから……」
「まあ、ずっと? 神官様は王女殿下に会いに来られたのですよね。それをずっと庭でお待たせするだなんて……」
「あ、いえ、ボクはまだ見習いで! もっと偉い方のお供でついてきているんです」
ぶんぶんと大きく首を振る。その拍子に落ちそうになり、少年は慌てて枝にしがみついた。その落ち着きのない動きは、確かに神官と言うにはなんとも頼りない。
「わたくしはリーゼロッテ。神官様のお名前も教えていただけるとうれしいですわ」
「ぼ、ボクはマルコです! まだ見習いなので、神官様だなんて呼ばれると何だか恥ずかしいや……」
「ではマルコ様とお呼びしてもよろしいですか? わたくしはリーゼロッテで構いませんから」
「リーゼロッテ様……」
ぽっと頬を染めたマルコに、リーゼロッテはにこっと笑顔を返した。ようやく見つけた話し相手だ。うれしくて仕方がない。
「ああっでもボクのことは呼び捨てでもっ」
「いいえ、今は見習いでも、マルコ様は将来立派な神官様になられるんですもの。そういう訳には参りませんわ」
マンボウが「オエッ」と合いの手のように返す。警戒はしているが、リーゼロッテが背をやさしくなでているせいか、マルコに襲い掛かることはしなくなった。
「マルコ様はどうして神官になろうと思われたのですか……?」
王女のいる東宮に、そうそう入れるものではない。見習いと言えど、選ばれた人間しか連れてこないだろう。しかしマルコはやはり神官に向いていないような気もして、リーゼロッテは思わず不躾な質問をしてしまった。
「……ボクには夢見の力があって、それで」
「まあ、夢見の! クリスティーナ様と同じ力をお持ちなのですね!」