宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
◇
明けて翌日、結局この日もエステ三昧で一日が終わった。湯あみ時に薬湯で肌を整え、美顔パックに全身オイルマッサージ、トリートメント効果の高いヘアパックも丹念に施された。
それに加えて夜会で着るドレスやアクセサリー選びなど、やることは山盛りだ。本来なら少しずつ準備することを、次から次にこなしていった。
毎朝の散歩や階段の昇り降りが功を奏したのか、幸い贅肉は増えてはいない。むしろ体が全体的に引き締まり、ドレスの調整にお針子たちがてんやわんやすることになってしまった。
とにかくエラ以外の人間も総出で、昨日に引き続き全身を磨き上げられた一日だった。明日は夜会の準備で、やはり朝から慌ただしくなるだろう。
今夜は早めに就寝するように言われ、リーゼロッテは薄暗い寝室で横になっていた。
(忙しすぎてヴァルト様の顔も見られなかったわ)
せっかく公爵家に戻ってきたのに、これでは東宮にいるときと変わらない。
「エラたちとおしゃべりできるからまだマシだけど……」
こんなことなら迎えに来てくれた時に、もっと話をすればよかった。しかし駆ける馬上でしゃべると舌を噛む。馬を走らせているときは、口を開くなといつも言われていた。
時計を見ると普段寝るときよりもずっと早い時刻だ。少しだけでも顔を見られたら。そんな思いが強くなる。
ショールを羽織り、音を立てないよう衣裳部屋へと向かった。この奥にある扉はジークヴァルトの部屋につながっている。耳を押し当て、隣の様子を伺った。
「まだ戻ってないのかしら」
ジークヴァルトは日々忙しくしている。夜遅くまで執務室に籠っていることも多いようだ。それに書類仕事以外のこともある。時に領民の陳述を直接聞き、領地への見回りも欠かさなかった。
そんな中、昨日はわざわざ迎えに来てくれたのだ。会いたいと思っているのは自分だけではない。そう思うと余計に顔を見たくなる。
ジークヴァルトの部屋は守り石と同じ力で満ちていて、扉越しでもそれがじんわり伝わってくる。もっとジークヴァルトを感じていたくて、頬ずりしながらその青の気を堪能した。
明けて翌日、結局この日もエステ三昧で一日が終わった。湯あみ時に薬湯で肌を整え、美顔パックに全身オイルマッサージ、トリートメント効果の高いヘアパックも丹念に施された。
それに加えて夜会で着るドレスやアクセサリー選びなど、やることは山盛りだ。本来なら少しずつ準備することを、次から次にこなしていった。
毎朝の散歩や階段の昇り降りが功を奏したのか、幸い贅肉は増えてはいない。むしろ体が全体的に引き締まり、ドレスの調整にお針子たちがてんやわんやすることになってしまった。
とにかくエラ以外の人間も総出で、昨日に引き続き全身を磨き上げられた一日だった。明日は夜会の準備で、やはり朝から慌ただしくなるだろう。
今夜は早めに就寝するように言われ、リーゼロッテは薄暗い寝室で横になっていた。
(忙しすぎてヴァルト様の顔も見られなかったわ)
せっかく公爵家に戻ってきたのに、これでは東宮にいるときと変わらない。
「エラたちとおしゃべりできるからまだマシだけど……」
こんなことなら迎えに来てくれた時に、もっと話をすればよかった。しかし駆ける馬上でしゃべると舌を噛む。馬を走らせているときは、口を開くなといつも言われていた。
時計を見ると普段寝るときよりもずっと早い時刻だ。少しだけでも顔を見られたら。そんな思いが強くなる。
ショールを羽織り、音を立てないよう衣裳部屋へと向かった。この奥にある扉はジークヴァルトの部屋につながっている。耳を押し当て、隣の様子を伺った。
「まだ戻ってないのかしら」
ジークヴァルトは日々忙しくしている。夜遅くまで執務室に籠っていることも多いようだ。それに書類仕事以外のこともある。時に領民の陳述を直接聞き、領地への見回りも欠かさなかった。
そんな中、昨日はわざわざ迎えに来てくれたのだ。会いたいと思っているのは自分だけではない。そう思うと余計に顔を見たくなる。
ジークヴァルトの部屋は守り石と同じ力で満ちていて、扉越しでもそれがじんわり伝わってくる。もっとジークヴァルトを感じていたくて、頬ずりしながらその青の気を堪能した。