宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
「分かるときが間もなく来るわ。宿世とは逆らえぬ深き業。どの道を辿ろうとも行く先はただひとつ……」
そのタイミングで再び扉が叩かれた。
「あなたはもういいわ。リーゼロッテの元にお戻りなさい」
「では御前失礼させていただきます」
エラが部屋を辞し、入れ替わりのようにアルベルトが現れた。先ほども思ったが、彼らしくない硬い表情を浮かべている。
「クリスティーナ様、こちらは……ブルーメ子爵令嬢でございます」
「あ、あのっ、ルチア・ブルーメでござい、ますっ。お召しにより、参上いたしまし、たっ」
息も絶え絶えに礼を取った赤毛の令嬢に、クリスティーナは息を飲んだ。その瞬間、目の前が光の渦に包まれる。
(――夢見の力が)
いつも前触れなく訪れる光に、クリスティーナはただ身をまかせるしかない。押し寄せる映像が洪水のごとく頭を満たして、身が消えゆくような浮遊感を覚えた。
「クリスティーナ様……!」
アルベルトに支えられていることに気づき、はっと意識を取り戻した。どんなに長い夢見を視ようとも、周囲の人間にしてみれば一瞬すら経ってはいない。
「大丈夫よ、アルベルト」
その腕から離れると、クリスティーナは目の前にいるルチアをじっと見つめた。鮮やかな赤毛に金色の瞳。色彩だけでなくその顔立ちは、父王ディートリヒや妹姫のピッパと恐ろしいほどよく似ていた。
紛れもなく王族の血を引く少女。龍が課した運命を、クリスティーナは夢見の中に垣間視た。
「もういいわ……お下がりなさい」
「仰せのままに」
そのタイミングで再び扉が叩かれた。
「あなたはもういいわ。リーゼロッテの元にお戻りなさい」
「では御前失礼させていただきます」
エラが部屋を辞し、入れ替わりのようにアルベルトが現れた。先ほども思ったが、彼らしくない硬い表情を浮かべている。
「クリスティーナ様、こちらは……ブルーメ子爵令嬢でございます」
「あ、あのっ、ルチア・ブルーメでござい、ますっ。お召しにより、参上いたしまし、たっ」
息も絶え絶えに礼を取った赤毛の令嬢に、クリスティーナは息を飲んだ。その瞬間、目の前が光の渦に包まれる。
(――夢見の力が)
いつも前触れなく訪れる光に、クリスティーナはただ身をまかせるしかない。押し寄せる映像が洪水のごとく頭を満たして、身が消えゆくような浮遊感を覚えた。
「クリスティーナ様……!」
アルベルトに支えられていることに気づき、はっと意識を取り戻した。どんなに長い夢見を視ようとも、周囲の人間にしてみれば一瞬すら経ってはいない。
「大丈夫よ、アルベルト」
その腕から離れると、クリスティーナは目の前にいるルチアをじっと見つめた。鮮やかな赤毛に金色の瞳。色彩だけでなくその顔立ちは、父王ディートリヒや妹姫のピッパと恐ろしいほどよく似ていた。
紛れもなく王族の血を引く少女。龍が課した運命を、クリスティーナは夢見の中に垣間視た。
「もういいわ……お下がりなさい」
「仰せのままに」