宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
それは奥底にあった固い蕾が、大きく花開いたような感覚だ。大輪の花が輝きを放ち、この胸の中で咲き誇っている。
「それがお前の本来の力だ」
「本来の……」
「膜がお前を守っていると言っただろう? あれが今は随分と解けている」
マントのような何かが、体を覆っているのが確かに感じ取れた。自分のものではないあたたかな力だ。
「これがマルグリット母様の力……?」
「ああ、そうだ」
声すら覚えていない母の面影は、淡い記憶の中、いつでも儚げにほほ笑んでいる。まだ自分を守ってくれている。そう思うと心強かった。
「お前の力はずっとその膜の中に閉じ込められていた。守護者と調和がとれなかったのもそのせいだ」
「では今はちゃんと調和できているということですか?」
「ああ、これからは以前のように、力が不安定になることもないだろう」
リーゼロッテの守護者は聖女だと聞いている。
(いつだかハルト様に、黒髪で顔の薄いおもしろ系の聖女様って教えてもらったっけ……)
いまだによく分からない言い回しだが、おもしろ系なら陽気な聖女なのかもしれない。そんなことを考えてリーゼロッテは口元を小さく綻ばせた。
「やっと笑ったな」
「え?」
見上げると青い瞳がやさしく細められた。ふさぎ込むをリーゼロッテを、ずっと心配していたのだろう。今は素直に甘えたくて、背に回した手にぎゅっと力を入れた。
「お、お嬢様っ!」
珍しく騒々しく飛び込んできたエラに顔を上げる。青ざめた顔でわたわたしながら、エラは声にならないまま扉に向かって礼を取った。
「それがお前の本来の力だ」
「本来の……」
「膜がお前を守っていると言っただろう? あれが今は随分と解けている」
マントのような何かが、体を覆っているのが確かに感じ取れた。自分のものではないあたたかな力だ。
「これがマルグリット母様の力……?」
「ああ、そうだ」
声すら覚えていない母の面影は、淡い記憶の中、いつでも儚げにほほ笑んでいる。まだ自分を守ってくれている。そう思うと心強かった。
「お前の力はずっとその膜の中に閉じ込められていた。守護者と調和がとれなかったのもそのせいだ」
「では今はちゃんと調和できているということですか?」
「ああ、これからは以前のように、力が不安定になることもないだろう」
リーゼロッテの守護者は聖女だと聞いている。
(いつだかハルト様に、黒髪で顔の薄いおもしろ系の聖女様って教えてもらったっけ……)
いまだによく分からない言い回しだが、おもしろ系なら陽気な聖女なのかもしれない。そんなことを考えてリーゼロッテは口元を小さく綻ばせた。
「やっと笑ったな」
「え?」
見上げると青い瞳がやさしく細められた。ふさぎ込むをリーゼロッテを、ずっと心配していたのだろう。今は素直に甘えたくて、背に回した手にぎゅっと力を入れた。
「お、お嬢様っ!」
珍しく騒々しく飛び込んできたエラに顔を上げる。青ざめた顔でわたわたしながら、エラは声にならないまま扉に向かって礼を取った。