宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
「まだ他に神官がいるかもしれない。怪しまれないようにこのふたり、どっか隠しとけないかな?」
「近くに部屋は無さそうっすね」
目の前に続くのは廊下だけだ。薄暗く先は見渡せない。
「あの柱の影はどうだ?」
エーミールの言葉を受けて、太い柱の影に神官ふたりを押し込んだ。
しばらく進むと廊下の途中で、神官がひとり倒れているのが目に入った。
この神官も覆面をしているが、鼻の辺りが血で汚れている。カイがそれをはぎ取ると、その男もやはり神官長派のひとりだった。
(この男……確か、オスカーとか言ったな)
神官服を脱がせると、カイは神官をロープで縛り上げていく。殴られた跡があるので、誰かに昏倒させられたのだろうことが伺えた。
「ねぇふたりとも。これ着てついて来て」
言いながらカイ自身も神官服を身にまとった。仕上げに目出し穴のついた頭巾を被る。
ここにあと何人いるかは分からない。この少人数では神官の振りをして探った方が危険は低かった。
「うおっ! この覆面、血まみれじゃないっすか」
「顔見られるよりましでしょ? もし名前聞かれたら、ブラル殿はオスカーって名乗っといて」
「オスカー?」
「そこの血まみれ神官の名前」
「わたしはどうすればいい?」
エーミールの問いにカイは一瞬考え込んだ。
「とりあえずグレーデン殿は何があっても黙ってて」
その方がボロが出にくいから、とカイは心の中でつけ加える。
オスカーも同様に柱の影に押し込むと、三人は再び建物の奥へと進んでいった。
「この廊下どこまで続いてるんすかね」
「いや、あの先で二手に別れているな」
突き当りで左右に伸びるのはまた長い廊下だった。
「近くに部屋は無さそうっすね」
目の前に続くのは廊下だけだ。薄暗く先は見渡せない。
「あの柱の影はどうだ?」
エーミールの言葉を受けて、太い柱の影に神官ふたりを押し込んだ。
しばらく進むと廊下の途中で、神官がひとり倒れているのが目に入った。
この神官も覆面をしているが、鼻の辺りが血で汚れている。カイがそれをはぎ取ると、その男もやはり神官長派のひとりだった。
(この男……確か、オスカーとか言ったな)
神官服を脱がせると、カイは神官をロープで縛り上げていく。殴られた跡があるので、誰かに昏倒させられたのだろうことが伺えた。
「ねぇふたりとも。これ着てついて来て」
言いながらカイ自身も神官服を身にまとった。仕上げに目出し穴のついた頭巾を被る。
ここにあと何人いるかは分からない。この少人数では神官の振りをして探った方が危険は低かった。
「うおっ! この覆面、血まみれじゃないっすか」
「顔見られるよりましでしょ? もし名前聞かれたら、ブラル殿はオスカーって名乗っといて」
「オスカー?」
「そこの血まみれ神官の名前」
「わたしはどうすればいい?」
エーミールの問いにカイは一瞬考え込んだ。
「とりあえずグレーデン殿は何があっても黙ってて」
その方がボロが出にくいから、とカイは心の中でつけ加える。
オスカーも同様に柱の影に押し込むと、三人は再び建物の奥へと進んでいった。
「この廊下どこまで続いてるんすかね」
「いや、あの先で二手に別れているな」
突き当りで左右に伸びるのはまた長い廊下だった。