宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
 ●騎士団の人々●
【バルバナス】
 ディートリヒの兄。騎士団総司令を務める。騎士たちには人望が厚いが、貴族たちには横柄(おうへい)な王族と思われている。龍の託宣を嫌い、王族の血を残さないために女を寄せ付けない。そのくせアデライーデをそばに置いて離さないでいる。
【アデライーデ】
  ジークヴァルトの姉。バルバナスのせいで恋もできない公爵令嬢。ハインリヒの守護者に負わされた傷のせいで、隻眼(せきがん)の騎士として働く道を選ぶ。ハインリヒが託宣を果たしたら、ぶん殴りに行く約束をしている。
【ニコラウス】
 たれ目なブラル伯爵家長男(愛人の子)。爵位は継がず妹に譲る予定。エーミール相手に気さくに(から)んでいく。アデライーデにお尻をつねられがち。騎士になったのは女の子にモテたかったから。でも現実はそんなに甘くない!?
【ランプレヒト】
 侵略してきた他国の捕虜だったが、バルバナスの小姓として召し上げられる。薬草好きで騎士団の薬師としても活躍。何年たっても少年の姿をしているため、周囲からはうす気味悪がられている。人の嫌がることが好きでわざと苦い薬を作る。良く効くのでみんな仕方なしに飲む。それが楽しくて楽しくて仕方がない。

 ●神殿の人々●
【ミヒャエル】
 司祭枢機卿として神殿のナンバー2の座を確立。金品脅しで庶民向けの教会に権力をはびこらせている。イジドーラ王妃に執心するあまり王座を狙う。星を堕とす者である紅の女神の力を借りるも、その力に蝕まれ中。若いころは純朴な神官だった。
【マルコ】
 神官見習いのそばかす少年。王女の東宮でリーゼロッテと親しくなる。夢見の力を持つ稀有(けう)な存在。目の前で両親がクマに殺され、それ以来血を見るのが怖い。東宮に来るたびに白い悪魔(マンボウ)に追いかけられる。
【レミュリオ】
 若き神官。銀髪で盲目の美青年。神官長の秘蔵っ子で次期神官長候補に名を連ねている。特に若い神官の間では人望が厚い。そんなところが胡散臭いとカイに思われている。
【神官長】
 敬虔(けいけん)な聖職者。権力などには一切興味のない事なかれ主義。王家にはつかず離れずで、青龍の意思にいちばんに従う。
【前神官長】
 故人。ミヒャエルに殺害される。文武両道な人格者だった。
【ヨーゼフ】
 ミヒャエルの腰巾着(こしぎんちゃく)だったが、ミヒャエルの死後その地位を受け継ぎ美味しい思いをしている。今は神官長に媚びへつらって次期神官長の座を狙っている。小物感がハンパない。
【オスカー】
 リーゼロッテを見張る頭巾(ずきん)の神官のひとり。「我々の青龍」を妄信し、聖女にあこがれを抱く。リーゼロッテ相手には骨抜きだが、本来は気の短い乱暴な男。

●その他もろもろな人々●
【マダム・クノスペ】
 (つぼみ)のような若い令嬢のドレスを作ることに命を懸けている売れっ子デザイナー。作る相手を選ぶ。
貞子(さだこ)紳士】
 肩にだれんと黒髪の異形の女を乗せて夜会に現れる紳士。異形の女は愛おしそうに紳士の頬を撫でさすっている。ジークヴァルト(いわ)く、異形ではなく生霊が乗っかってるとのこと。
【カロリーネ】
 カイ扮する謎の令嬢。ハスキーな声が色っぽい。カイ的には体つきなどそろそろ無理が出てきているが、イジドーラ(メイク担当)はまだまだいけると大絶賛。
【仮面の男エル】
 白の夜会でエラのピンチを救った謎の男。その正体はエーミールの兄エルヴィン。祖母ウルリーケの支配を(かわ)すため、病弱という噂は自作自演だったりする。敵を(あざむ)くにはまず味方から、ということでエーミールはこの事実を知らないでいる。
【ジルケ】
 クラッセン侯爵夫人でアンネマリーママ。令嬢時代に話し相手として、イジドーラ・マルグリットと共に王妃セレスティーヌの元に通う。
【カチヤ】
 覚えてらっしゃい系モブ令嬢。セレスティーヌ王妃に気に入られるイジドーラをやり込めようとしてあっさり逆襲に合う。
【ロッテンマイヤーさん】
 リーゼロッテ幼少期のマナー教師のご夫人。リーゼロッテが名前を覚えていないので、ずっと脳内でそう呼ばれている。鬼のように厳しい人だった。
【モモ】
 マルコの裏の人格。血を見るのが好きな無邪気な女の子。

< 381 / 391 >

この作品をシェア

pagetop