宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
和やかな雰囲気で晩餐の時間は進んでいった。しかし料理を運ぶ者がアンネマリーとリーゼロッテに目を奪われるたびに、ハインリヒとジークヴァルトの鋭い視線が走る。
(こんな時、自分の守護者が恨めしくなるな)
ハインリヒはいまだアンネマリー以外の女性に触れることは叶わない。それは別段どうでもいいことなのだが、その件さえなければ給仕はすべて女性にさせることができるのに。しかし万が一自分が女性に触れてしまったら、その者に大怪我を負わせてしまう。
そんなわけで平和な時間を過ごしているのは、アンネマリーとリーゼロッテだけだ。ジークヴァルトも心中穏やかではないようで、いつも以上にしかめ面をして殺気立っている。
ふとジークヴァルトと目が合って、ハインリヒの口元に小さく苦笑が漏れた。
(お互い随分変わったものだ)
対の託宣を受けた男がこうなってしまうのは、もはや必然なのだと聞かされていた。だがずっとどこかで疑っていたのだ。しかしいざ自分がそうなってみると、だからなんだという気持ちしか湧いてこない。アンネマリーしか目に入らない。ただそれだけのシンプルな話だ。
晩餐を終え、ソファに移動しみなでくつろいだ。アンネマリーたちはおしゃべりが尽きないようだ。こちらを向いてほしい欲が湧いてくる。だが彼女が笑顔ならば、たまにこんな時間も悪くない。
「そういえば、先日リーゼロッテ嬢の父親に会ったな」
ふと思い出してハインリヒは何気なく話題に乗せた。
(こんな時、自分の守護者が恨めしくなるな)
ハインリヒはいまだアンネマリー以外の女性に触れることは叶わない。それは別段どうでもいいことなのだが、その件さえなければ給仕はすべて女性にさせることができるのに。しかし万が一自分が女性に触れてしまったら、その者に大怪我を負わせてしまう。
そんなわけで平和な時間を過ごしているのは、アンネマリーとリーゼロッテだけだ。ジークヴァルトも心中穏やかではないようで、いつも以上にしかめ面をして殺気立っている。
ふとジークヴァルトと目が合って、ハインリヒの口元に小さく苦笑が漏れた。
(お互い随分変わったものだ)
対の託宣を受けた男がこうなってしまうのは、もはや必然なのだと聞かされていた。だがずっとどこかで疑っていたのだ。しかしいざ自分がそうなってみると、だからなんだという気持ちしか湧いてこない。アンネマリーしか目に入らない。ただそれだけのシンプルな話だ。
晩餐を終え、ソファに移動しみなでくつろいだ。アンネマリーたちはおしゃべりが尽きないようだ。こちらを向いてほしい欲が湧いてくる。だが彼女が笑顔ならば、たまにこんな時間も悪くない。
「そういえば、先日リーゼロッテ嬢の父親に会ったな」
ふと思い出してハインリヒは何気なく話題に乗せた。