宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
夢中になって選んでいると、ふと背後に視線を感じた。振り向くとジークヴァルトがこちらをじっと見ている。貴族街の雑貨屋でも同じように見られていたことを、リーゼロッテは思い出した。
(あの頃も、わたしのことを好きだと思ってくれていたのかしら……)
心を通わせたことがいまだに信じられなくて、高鳴る胸を押さえながらそんなことを思ってしまう。日本の記憶ではいちゃラブな話が大好きだった。だがいざ自分がその立場になると、どうしていいのかがまるで分からなくなる。
「どうした? 気にせずゆっくり選んでいいぞ」
「は、はい。ありがとうございます」
動揺したまま向き直る。周囲の生あたたかい視線を感じて、リーゼロッテは慌ててこれと決めた品々を順にさし示した。
「こちらと、こちら、それにこちらが気に入りましたわ」
選んだのは美しい箱細工のオルゴールに可愛い天使の置物、ちょっと高級そうなティーセット一式だ。
ティーセットは最後まで迷ったが、エラがさりげなくプッシュしてきたので、かなりいいお値段のものだと推測された。こういったときジークヴァルトに恥をかかせないために、適度にお金を使う必要がある。貴族とはなんと贅沢な立場であろうか。
庶民魂が荒ぶるのを懸命に無視していると、ふと光沢のある赤いリボンが目に入った。
「こちらもいただいてよろしいですか?」
普段、身に着けることのないどぎつい赤のリボンに、エラが困惑したような顔になった。日常でエラはリーゼロッテの明るい髪色に合わせて、パステル系のリボンを選ぶことが多い。しかも公爵に気を使って、いつも青か緑のものをチョイスしていた。
「ですがそちらは少々お嬢様に不釣り合いなのでは……」
「わたくしにではなくて、アルフレートに似合いそうだと思って」
(あの頃も、わたしのことを好きだと思ってくれていたのかしら……)
心を通わせたことがいまだに信じられなくて、高鳴る胸を押さえながらそんなことを思ってしまう。日本の記憶ではいちゃラブな話が大好きだった。だがいざ自分がその立場になると、どうしていいのかがまるで分からなくなる。
「どうした? 気にせずゆっくり選んでいいぞ」
「は、はい。ありがとうございます」
動揺したまま向き直る。周囲の生あたたかい視線を感じて、リーゼロッテは慌ててこれと決めた品々を順にさし示した。
「こちらと、こちら、それにこちらが気に入りましたわ」
選んだのは美しい箱細工のオルゴールに可愛い天使の置物、ちょっと高級そうなティーセット一式だ。
ティーセットは最後まで迷ったが、エラがさりげなくプッシュしてきたので、かなりいいお値段のものだと推測された。こういったときジークヴァルトに恥をかかせないために、適度にお金を使う必要がある。貴族とはなんと贅沢な立場であろうか。
庶民魂が荒ぶるのを懸命に無視していると、ふと光沢のある赤いリボンが目に入った。
「こちらもいただいてよろしいですか?」
普段、身に着けることのないどぎつい赤のリボンに、エラが困惑したような顔になった。日常でエラはリーゼロッテの明るい髪色に合わせて、パステル系のリボンを選ぶことが多い。しかも公爵に気を使って、いつも青か緑のものをチョイスしていた。
「ですがそちらは少々お嬢様に不釣り合いなのでは……」
「わたくしにではなくて、アルフレートに似合いそうだと思って」