宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
「リーゼロッテ様もお飲みになる? 口当たりがよくて美味しいですわよ」
「いえ、わたくし、家でお酒は禁じられていて……」
「あら、そうなのね。残念」
もう一杯グラスを手に取ると、再び一気にあおる。
「正直言って従弟はわたくしの趣味ではなくって……。家のために仕方ないと諦めてはいるのですけど」
ヤスミンは小さくため息をついた。貴族令嬢同士のガールズトークは、どうにも世知辛いものがある。
「従弟はお母様と気が合うみたいで、領地のお仕事なんかも手伝っていますの。キュプカー家に迎え入れるにふさわしい方ですわ。でも、ひょろっとした体つきがやっぱり好きになれなくて……」
「ヤスミン様はキュプカー侯爵様のように、力強い方がお好きなのですか?」
「別にお父様が理想というわけではないけれど、もっとがっちりした方に憧れますわ。ふふ、わたくし子供のころからよく騎士団の訓練を見にいっておりましたから、その影響かもしれませんわね」
「騎士団の見学に? なんだか楽しそう……」
「ほかのご令嬢もよく見に来られてますわよ? リーゼロッテ様も一度行かれるといいですわ。公爵様目当ての方もいらっしゃるから、少しは目を光らせておかないと」
寝耳に水な情報にリーゼロッテは驚き顔を向けた。ジークヴァルトが浮気をするなどとは考えられないが、その立場から近づいてくる女性も多いのだろう。
そうこうしているうちにジークヴァルトが戻ってきた。
「王妃殿下に挨拶に行くぞ」
頷いて差し伸べられた手を取る。
「ではヤスミン様、今日はこれで失礼いたします」
「ええ、またお話ししましょうね」
相変わらずのいたずらっぽい笑みのヤスミンに見送られて、ふたりは王妃の元へと向かった。
「いえ、わたくし、家でお酒は禁じられていて……」
「あら、そうなのね。残念」
もう一杯グラスを手に取ると、再び一気にあおる。
「正直言って従弟はわたくしの趣味ではなくって……。家のために仕方ないと諦めてはいるのですけど」
ヤスミンは小さくため息をついた。貴族令嬢同士のガールズトークは、どうにも世知辛いものがある。
「従弟はお母様と気が合うみたいで、領地のお仕事なんかも手伝っていますの。キュプカー家に迎え入れるにふさわしい方ですわ。でも、ひょろっとした体つきがやっぱり好きになれなくて……」
「ヤスミン様はキュプカー侯爵様のように、力強い方がお好きなのですか?」
「別にお父様が理想というわけではないけれど、もっとがっちりした方に憧れますわ。ふふ、わたくし子供のころからよく騎士団の訓練を見にいっておりましたから、その影響かもしれませんわね」
「騎士団の見学に? なんだか楽しそう……」
「ほかのご令嬢もよく見に来られてますわよ? リーゼロッテ様も一度行かれるといいですわ。公爵様目当ての方もいらっしゃるから、少しは目を光らせておかないと」
寝耳に水な情報にリーゼロッテは驚き顔を向けた。ジークヴァルトが浮気をするなどとは考えられないが、その立場から近づいてくる女性も多いのだろう。
そうこうしているうちにジークヴァルトが戻ってきた。
「王妃殿下に挨拶に行くぞ」
頷いて差し伸べられた手を取る。
「ではヤスミン様、今日はこれで失礼いたします」
「ええ、またお話ししましょうね」
相変わらずのいたずらっぽい笑みのヤスミンに見送られて、ふたりは王妃の元へと向かった。