宿命の王女と身代わりの託宣 -龍の託宣4-
アルベルトは公爵なら大丈夫だろうと言っていた。よくは分からないが、ジークヴァルトが無事ならそれでいい。
「だが鶏がいたな」
「そうなのです! わたくしも今朝、鶏の声に起こされて!」
今朝あったことを興奮気味に話す。あまりにも大きな鳴き声だったので、誰かに話したくて仕方がなかった。
「そうか」
ひと通り話し終えると、ジークヴァルトはふっと笑った。自分ばかりがしゃべり続けていたことに気づき、リーゼロッテの頬が赤くなる。
普段からジークヴァルトはあまり自分からは話さない。時々合いの手を返してくるだけで、いつもリーゼロッテの話を黙って聞いているだけだ。
(わたしだって声を聞きたいのに)
時間が来たら自分を置いて帰ってしまうのだ。そう思うと、もっとその声を聞かせてほしかった。
「ジークヴァルト様も何かお話しをしてくださいませ」
期待に満ちた視線を向けると、ジークヴァルトはぎゅっと眉根を寄せた。寡黙な彼は話題を探すのが苦手なようだ。無理難題を押し付けてしまったと思い、リーゼロッテはどうしようかと首を傾けた。
「でしたら、わたくしの名を呼んでくださいませんか……?」
自分の名前を口にするときのジークヴァルトが一等好きだ。まっすぐ目を見てこの名を呼んでくれる。そのときだけジークヴァルトを独り占めできたような気がして、リーゼロッテは何度でも呼んでほしいと思ってしまう。
「リーゼロッテ」
「もう一度」
「リーゼロッテ」
「もっと……」
「リーゼロッテ……」
「だが鶏がいたな」
「そうなのです! わたくしも今朝、鶏の声に起こされて!」
今朝あったことを興奮気味に話す。あまりにも大きな鳴き声だったので、誰かに話したくて仕方がなかった。
「そうか」
ひと通り話し終えると、ジークヴァルトはふっと笑った。自分ばかりがしゃべり続けていたことに気づき、リーゼロッテの頬が赤くなる。
普段からジークヴァルトはあまり自分からは話さない。時々合いの手を返してくるだけで、いつもリーゼロッテの話を黙って聞いているだけだ。
(わたしだって声を聞きたいのに)
時間が来たら自分を置いて帰ってしまうのだ。そう思うと、もっとその声を聞かせてほしかった。
「ジークヴァルト様も何かお話しをしてくださいませ」
期待に満ちた視線を向けると、ジークヴァルトはぎゅっと眉根を寄せた。寡黙な彼は話題を探すのが苦手なようだ。無理難題を押し付けてしまったと思い、リーゼロッテはどうしようかと首を傾けた。
「でしたら、わたくしの名を呼んでくださいませんか……?」
自分の名前を口にするときのジークヴァルトが一等好きだ。まっすぐ目を見てこの名を呼んでくれる。そのときだけジークヴァルトを独り占めできたような気がして、リーゼロッテは何度でも呼んでほしいと思ってしまう。
「リーゼロッテ」
「もう一度」
「リーゼロッテ」
「もっと……」
「リーゼロッテ……」