継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします
「全て、愚かで無能な娘の妄言。それにロックハート家の皆様が騙されただけのこと!……私は、夫を愛しておりました!」
「嘘よ!」

 ケリーアデルの愛を欠片も感じない言葉に、私は悲鳴をあげた。

「貴女はお金がほしかっただけ! お父様がいない時、勝手にレドモンドの家財を売り払い、散財してきた。その度に、私に罪を擦り付けてきたじゃない!……あなたが愛したのはお父様ではない。レドモンドの財産よ!!」

 私の叫びに応えるように鏡が輝く。

 絵画に陶器の飾り、彫刻、様々な美術品を売り払うケリーアデルの姿が、鏡に映し出される。それを見た瞬間、ペンロド夫人の表情が険しくなった。

 さらに映し出されたのは、父が私を怒鳴りつけて「美術品に触れるなと言っただろう!」と説教する姿だ。

 そう。私が美術品を壊した、汚したから破棄せざるを得なかったと、ケリーアデルは嘘を並べた。そうすることで、家財を売却していた事実を隠し続けた。
 その中には、亡き母の宝石やドレスもあったわ。
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