継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします
 おずおずとヴィンセントの顔を見ると、貴族子女なら誰もが顔を赤らめてしまうだろう微笑みがあった。

 愛されてる。これが、ずっと求めていた愛だというの?

 ベッドに降ろされた私は、ヴィンセント様の手が髪を撫でてくるのが気恥ずかしくて、もぞもぞとシーツを引き上げた。

 息を整えた私はベッドの上で姿勢を正した。そうして、ヴィンセント様に向かって深く頭を下げた。

「どうした。ヴェルヘルミーナ?」

 突然のことに驚いたのだろう。ヴィンセント様の声に少しの戸惑いを感じた。だけど、私はそのまま頭を上げずにお礼を口にした。

「ヴィンセント様のおかげで、ケリーアデルを捕らえることが出来ました。ありがとうございます」
「それは、君が能力で成したものだ」
「その能力も、アーリック族に会うことで知ることができたのです。そうでなければ、私は気付くことすらなかったでしょう。すべて、ヴィンセント様と出会えたおかげといえます」
< 192 / 207 >

この作品をシェア

pagetop