継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします
「ケリーアデルのやっていたことが、幻惑の魔女の手口とあまりにも似ていたから、てっきり彼女がそうだと思っていたが」

 深いため息をついたヴィンセント様は、私の手からカップを取り上げた。そうして、それをベッド横のテーブルに置くと、私の側に腰を下ろす。

「……ケリーアデルが死んで、誰かがどこかで能力を引き継いだと考えることはできませんか?」

 その予想は望みが薄いと、頭で分かっている。それでも、確認しないではいられなかった。

 縋るようにヴィンセント様を見つめると、彼は一度深く息を吸って首を横に振る。

「もしそうだとしても、どの道、見つけ出して保護しなければならない。能力を誤って使わないようにな」
「……保護?」
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