継母に無能と罵られてきた伯爵令嬢ですが、可愛い弟のために政略結婚をいたします
「そうですね。招待客の相関々係も頭にいれないと──」
「それも大切ですが、ダンスもですよ!」
「ダリア!?」
「結婚してから嫁入り修行だなんて、聞いたことがありません」
「嫁入り修行って……」

 呆れたように言うダリアの顔は、言葉とは裏腹に楽しそうだ。

 デビュタントは諦めなさいと言われ、社交界でのマナーはおろか、ダンスのレッスンなんて一度も受けたことのない私にとって、未知の領域なんだけど。

「まずは社交界でのマナーとダンスを履修していただきます」
「招待する貴族については、私もサポートする。そう難しく考えなくてもよい」
「レドモンドにとって有益な夜会となりましょう。頑張りどころですね、ヴェルヘルミーナ」
「姉様が踊られるの、楽しみにしています! きっと、素敵でしょう」

 微笑む四人を順繰り見た私は、一呼吸置いて顔面蒼白になった。
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