6月25日、彼は。
正直まだこの現実を受け入れられていないのも事実だ。

しかし、震えていても状況は何も変わらないだろう。

私は近くの空き教室に入り、適当な二つの椅子を向かい合わせた後にその片側に座る。そして、珀人を向かい側に座らせた。

「ちゃんと説明して」

私がそう言い放つと、珀人が頭を掻きながら「そう言われてもなぁ」と悩んでいる。

「ちゃんと説明しろって言われても、さっき言ったことが全てだし」

「私が一年後に自殺するときに、珀人を巻き込むってやつ?」

「そう。飛び降りようとした伶菜の手を俺が掴んだけれど、運悪く俺も落ちて、そのまま二人とも死亡」

淡々とそう言う珀人がどこか怖かった。

夏に差し掛かり、教室はもうだいぶ暑いというのにそんなことも気にならない。

むしろ冷や汗が出そうだった。そんな空気を切り裂くように珀人が両手をパンっと叩いた。
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